【講義概要】
みなさんは、経済や社会の様々な集団(集合)や経済・社会の動きの特徴を捉えたいとき、統計データを用います。統計データから様々な統計量を計算し、対象とする集団や集合の特徴を捉えようとします。例えば、みなさんがよく知っている平均値もその1つでしょう。しかし、統計量は平均値だけではありません。平均値のほかにも、中央値や最頻値など、いろいろな統計量があります。そして、集団や集合の特徴を“正確に”捉えるためには、平均値だけでは不十分であり、様々な統計量を用い、あらゆる方面から対象を見る必要があります。
さらに、平均値の計算は、みなさんがよく知っている、全部の値を足し、サンプルの数で割るという方法だけではありません。みなさんが知っている平均値は「算術平均」と呼ばれるものですが、平均値には算術平均の他にも、加重平均や幾何平均など様々な平均値があります。統計データには、様々な性質のデータがあり、そのことを認識した上で、各統計データに適した統計量を用いなければ、対象とする集団や集合の特徴をミスリーディングしてしまう可能性があります。間違った解釈や判断の下で適切な行動を取ることはできません。
この講義では、様々な統計量の概念、及びその計算ができるようになり、統計量を用いて、いろいろな対象について適切な解釈や判断ができるようになることを目標とします。なお、本講義で用いる数学の知識は、四則演算(足し算、引き算、割り算、掛け算)と平方根(ルート)のみであり、卓上電卓を用いて計算します。数値計算は苦手と思う人もいるかもしれませんが、簡単な数字を用い、丁寧に計算過程を示し、みなさんにはゆっくりと計算して貰います。
なお、この授業は、経済学部ディプロマ・ポリシー【知識・技能】のうち「経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなすことができる」、及び「経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識を持つことができる」を主な目的としています。
【学習到達目標】
様々な統計データを用い、表やグラフの作図、及び基本的な統計量を算出し、様々な対象について適切な解釈や判断ができるようになることです。
【履修上の注意】
講義では毎回エクセルを使います。ノートパソコンの持参(フル充電になっているか)とCCS(インターネット)の接続環境を確認して下さい。
【事前準備学習】
エクセルのシート上での四則演算、関数を用いた計算、グラフの作成がスムーズにできるようにしておいて下さい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特になし |
参考書 | 講義内で提示する |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
毎講義、エクセル等を用いた理解度確認小テストを実施(合計40点満点)、中間と最終に理解度確認筆記テスト(各30点満点)を実施します。なお、毎回出席確認を行い、6回以上の欠席で失格とします。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス | |
2 | 様々な平均値 | |
3 | 「分布」の理解 | |
4 | 基本統計量と分布の関係 | |
5 | 理解度の確認(基本統計量と分布の関係) | |
6 | 分散と標準偏差の理解 | |
7 | 標準偏差の応用①(株価の予測) | |
8 | 標準偏差の応用②(平均値の差の検定) | |
9 | 理解度の確認(平均値の差の検定) | |
10 | 2変量の関係の検証(質的変数の場合) | |
11 | 2変量の関係の検証(量的変数の場合) | |
12 | 理解度の確認(2変量の関係の検証) | |
13 | 2変量の関係(擬似相関の理解) | |
14 | 本講義のまとめ | |
15 | 理解度の確認(総合) | |
16 | 定期試験期間 | |