【講義概要】
運動学kinesiologyとは生体の運動を研究する重要な学問領域で、理学療法で行われる評価や治療のために必要不可欠な基礎的知識となる。運動学は解剖学、生理学、生体力学などのバイオサイエンスを理論背景にもち、そのために取り扱う領域が非常に広い。人間の身体運動は人間の行動を支える基本的活動であり、その運動の障害は日常生活の円滑な遂行を妨げることとなるため、理学療法対象の中核を占めるものである。
運動器の構造と機能およびその障害を機能解剖学的・生体力学的に理解し、分析するための基礎知識を学習する。さらに、運動が生体に及ぼす影響について臨床に応用できる知識を学習する。
本科目ではリハビリテーション学部のディプロマ・ポリシーおよびカリキュラム・ポリシーにある専攻する学位分野の専門知識を身に付け、問題解決能力や科学的探究心などの修得を促進する。詳細については、リハビリテーション学部カリキュラムマップを参照。
【学習到達目標】
人体の運動機構を科学的に分析するための基礎編として、骨・関節や筋肉、靱帯、腱を中心とする運動器の構造と機能、物理学に基づく生体力学などを理解し、心身の運動の発現を構成する基本的な因子と臨床応用についての知識を学習し、病変による運動関連障害を分析、治療するための基礎を修得する。
【履修上の注意】
運動学が取り扱う範囲は非常に広いため、かなりのスピードで講義が進むので、各自で予習ならびに復習しなければ内容についていけない。
【事前準備学習】
各回の講義テーマに即した教科書記載頁を予習、復習する。解剖学で学習した筋骨格系の知識を整理しておく。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『筋骨格系のキネシオロジー(第3版)』 嶋田智明 他監訳 医歯薬出版 2018 『基礎運動学 第6版』 中村隆一 他 医歯薬出版 2003 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | 『図説運動器の機能解剖』 Rene Cailliet著 ; 荻島秀男訳著 医歯薬出版 2000.12 『上肢 第2版(カパンディ関節の生理学:1)』 I. A. Kapandji著 ; 塩田悦仁訳 医歯薬出版 2006.5 『脊椎・体幹・頭部 第2版(カパンディ関節の生理学:3)』 A.I.Kapandji著 ; 塩田悦仁訳 医歯薬出版 2008.1 『エッセンシャル・キネシオロジー : 機能的運動学の基礎と臨床』 Paul Jackson Mansfield, Donald A.Neumann著 南江堂 2010.10 『上肢 第2版第4刷(カパンジー機能解剖学 : カラー版:1)』 A.I. Kapandji著 ; 塩田悦仁訳 医歯薬出版 2010.1 『脊椎・体幹・頭部 第2版第2刷(カパンジー機能解剖学 : カラー版:3)』 A.I. Kapandji著 ; 塩田悦仁訳 医歯薬出版 2010.1 『臨床運動学 第3版第9刷』 中村隆一編著 ; 齋藤宏, 長崎浩著 医歯薬出版 2010.1 |
【評価方法】
2回の筆記試験にて評価する。そのほか、平常点も鑑みる。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 生体力学 | |
2 | 運動器の構造と機能 | |
3 | 肩複合体の運動学-肩複合体の構造、関節運動、筋および靭帯の作用 | |
4 | 肩複合体の運動学-第2肩関節、肩甲上腕リズム、肩関節の障害に関連する特徴的事項 | |
5 | 肘関節・前腕の運動学 | |
6 | 手関節・手指の運動学 | |
7 | 骨盤・股関節の運動学 | |
8 | 膝関節の運動学 | |
9 | 足関節・足部の運動学 | |
10 | 脊柱・体幹の運動学-脊柱の構造と運動、椎間板、椎間関節 | |
11 | 脊柱・体幹の運動学-運動筋、脊柱周囲の神経支配、脊柱の障害に関連する特徴的な事項 | |
12 | 頭部・顔面の運動学 | |
13 | 姿勢 | |
14 | 歩行 | |
15 | 運動学習 | |
16 | 定期試験期間 | |