【講義概要】
私たちの日常生活は実は法律と深く関わっています。
昨今ニュースなどで大きく取り上げられている労働問題は、決して正社員だけではなく、アルバイトをしている人にも当てはまります。いわゆるブラックバイトと言われている、最低賃金が守られていないとか、授業に支障をきたすほどシフトを入れられたり、販売ノルマを課されたりといった問題です。このようなブラックバイトやブラック企業が増えてきた背景を考えたり、自分が当事者にならないようにするにはどうしたらよいか、また、万が一当事者になったらどうしたらよいかを考えてみるのは実生活にも役に立つと思います。
また、国政選挙の選挙権が18歳に引き下げられたことに伴い、民法も、成人年齢を18歳に引き下げる改正がなされましたなされました。民法は未成年者を取引社会において厚く保護していますが、、その年齢が引き下げられると高校生でも成人として過酷な取引社会に取り込まれることになります。その問題点も検討してみたいと思います。
さらには、日本にカジノが作られる可能性がIR法(統合型リゾート整備推進法)の成立で現実味を帯びてきました。日本人はギャンブル依存症の割合が世界的に見ても大変高いので、この問題も考えていかなければいけません。
また、社会の基本である家族についても、夫婦別姓の問題や、子供の貧困や虐待、高齢化社会でおこる問題など法的に考えなければならない問題が多くなっています。
さらに、法的な紛争解決手段である裁判においては裁判員裁判制度によって、裁判員として参加する可能性もあります。
また昨今の芸能人の薬物事件や、保釈中の刑事被告人の海外逃亡なども、日本の刑事裁判制度がどのようになっているのかを知ることで問題点がより分かりやすくなります
このように現代社会がいかに法に関連しているかを身近な問題や昨今ニュースや新聞などで話題となっている事柄を具体的に取り上げながら、様々な法分野における基本的な知識と理解を得ることを目標にします。
【学習到達目標】
さまざまな法分野における基本的な知識と理解を得ること。
【履修上の注意】
授業の初回に説明するので必ず出席すること。
【事前準備学習】
事前に次回の講義テーマを告知するので、参考書等の該当ページを読んだり、調べたりして考えてくること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『法の世界へ 第7版』 池田真朗ほか共著 有斐閣アルマ 2017 『大学祭が知っておきたい生活のなかの法律』 細川幸一 慶応義塾大学出版会 2016 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
定期試験60%平常点(授業における積極的発言など授業態度)40%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 法学で何を学ぶか? 身近なトラブルは「法」で解決する | |
2 | 年齢と法律 なぜ中学校を卒業しないと就職できないか?18才が成人になる | |
3 | 民法の基本原理① | |
4 | 民法の基本原理②現代における基本原理の修正 | |
5 | 契約の成立 よくあるトラブルとその解決 | |
6 | 暮らしと事故 交通事故の民事責任、刑事責任、行政責任 あおり運転新設 | |
7 | 民法親族分野①親族の範囲 サザエさん一家で考えてみる | |
8 | 親族分野②婚姻 法律婚、事実婚 同性婚は?選択的夫婦別姓 | |
9 | 親族分野③離婚 親子関係 DNAは関係なし? | |
10 | 民法相続分野 | |
11 | 裁判 民事裁判と刑事裁判の違い 犯罪とは何か? | |
12 | 刑事裁判の流れ 有罪率99%の謎 刑の種類 | |
13 | 被害者なき犯罪 賭博罪と薬物犯罪 | |
14 | 労働と法律 働いている人はみんな労働者か?就活をめぐる問題 | |
15 | ふりかえりとまとめ | |
16 | 定期試験 | |