【講義概要】
この講義では、日本語の諸問題を言語学の立場から、学生と教員が共に考え模索してゆくという方法をとります。したがって、いわゆる「正解」といったものは、この授業では得られません。この講義の目的は、問題解決に至る「試行錯誤」を通して、日本語のおもしろさを体得するということにあります。日本語概論1では、まず、古代日本語の成立と背景について論じた後、中世の日本語について概観します(中世から現代に渡る日本語については、後期の日本語概論IIで解説します)。特に、日本語がどのようにして形成されてきたのかという問題を中心に、日本語に特有な性質について学生と共に考えていきたいと思います。
授業中は、毎回、学生の意見を求めるので、単に座っているだけの学生には向きません。しかし、逆に、授業というものを楽しんでみたい学生、あるいは、考えるというのはどういうことかを体験してみたい学生は受講してみてください。
なお、この授業は、別科の学生たちも参加する可能性がある授業となっています。
【学習到達目標】
日本語に関する基礎知識を得て、日本語および日本の歴史についての本などを読めるようになるというレベルを目標とします。
【履修上の注意】
出席率が低い場合は試験を受ける資格を失うので注意してください。
【事前準備学習】
日本語に関する本あるいは日本の歴史(特に中世以前)に関する本を少なくとも一冊読んでおくことを勧めます。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | なし |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
試験またはレポート80% 平常点20%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 遥かなる太古の世界(人への進化) | |
2 | 日本人はどこからやってきたのか | |
3 | 2万年前の日本人の祖先(日本語の形成へ) | |
4 | 大和言葉と神話の世界 | |
5 | 古代の大和言葉(基本語彙) | |
6 | 古代の大和言葉(語彙の形成方法) | |
7 | 古代の大和言葉(派生・変化) | |
8 | アイヌ語 | |
9 | 琉球語 | |
10 | 文字の誕生(世界編) | |
11 | 文字の誕生(中国編) | |
12 | 漢字を大和言葉に組み込む | |
13 | 正訓と義訓 | |
14 | ひらがなとカタカナの誕生と背景 | |
15 | 講義内容のまとめ | |
16 | 定期試験期間 | |