【主題】
ミクロ経済学を実験を通して学び、検証する
皆さんは2年間で様々な種類の経済理論を学んできたことと思いますが、その中で「この理論は本当に現実を上手く説明できているのだろうか?」、「この理論が前提にしている仮定は本当に正しいのだろうか?」といった疑問を感じたことはないでしょうか。
経済学に対するこのような疑問は古くからあり、経済学者もまた自問してきました。その結果、近年の経済学では、その理論や諸仮定の現実的な妥当性を「実験」によって検証することを目的にした研究が多く行われています。
現代経済学のこのような傾向を踏まえ、本演習では、ミクロ経済学(ゲーム理論を含む)の様々な理論や前提を、教室内でできる実験を通して学び、検証してもらいたいと考えています。
【指導方針概要】
「主題」で述べたとおり、本演習のテーマは、主にミクロ経済学の理論や諸前提を教室内でできる実験を通して学び、検証することです。ただし、実験の参加者および実施者は受講者である皆さん自身です。
より具体的には、実験の大まかな実施方法や前提となる理論の記された資料をもとにしながら、グループごとに実験を準備・実施してもらいます。加えて、前提とする理論の内容や実験結果についての解説もしてもらいます。これらは決して楽な作業ではなく、ときに地味で退屈なものになることもあります。しかし、「仮説の構築と検証」という科学的な経済学研究の方法を学び、試行錯誤しながら実践することは、人々の経済行動に対する理解を深めるだけでなく、これから社会で直面するであろう様々な問題や課題に対処する力にもなると考えています。
なお、上記の内容は主に春学期に実施する予定であり、秋学期は研究報告書の作成が主となります。研究報告書(ひいては卒業論文)のテーマは上記の内容に関連したものであることが望ましいですが、最終的なテーマ選定は個々の受講者の興味・関心に任せたいと考えています。なお、進捗状況等を定期的にプレゼン形式で報告してもらう予定です。
◆実施概要まとめ:
春学期:各種経済実験の準備・実施
秋学期:研究報告書の作成と経過報告、ゼミのテーマに関連する個人/グループワーク
※参考:4年次「卒業研究」の内容
4年次の必修科目「卒業研究」は、通常、3年次の「専門演習」と同じ教員のクラスに所属し、内容についても連続しています。
私のクラスでは以下の内容で実施する予定です。
春学期:研究報告書の成果報告、経済実験の準備・実施
秋学期:卒業論文の進捗状況の報告、ゼミのテーマに関連する個人/グループワーク
なお、4年次の授業は原則として大学が規定する時限(6限;曜日未定)に対面で行います。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
テキスト | 『行動ゲーム理論入門』 川越 敏司 NTT出版 2020 『図解ポケットゲーム理論がよくわかる本』 清水武治 秀和システム 2018 『行動経済学入門』 筒井 義郎 他 東洋経済新報社 2017 『ファスト&スロー』 ダニエル・カーネマン 早川書房 2014 『不合理な地球人』 ハワード・S・ダンフォード 筑摩書房 2016 テキストではなく参考書です。履修に当たって購入の必要はありません。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【学生に対する希望事項】
◆希望事項:
以下の4点を強く希望します。
①本演習のテーマを理解し、強い興味・関心をもっていること
②やむを得ない場合を除き、遅刻・欠席をしないこと(所定回数を超える場合は失格とします)
③協調性をもってゼミ内での作業に取り組めること(グループ作業が多いため)
④ミクロ経済学の基礎的な知識(少なくとも入門レベル)を身に付けていること
◆選考について:
選考の際は、志望動機・自己PR・下記の提出書類の内容・2年次までの成績(特にミクロ関連科目)などをもとに、上記希望事項に適う人材かを見ます。
★重要:
本演習を希望する方はCCSでの申請に加えて、以下の2項目への回答をwordファイルにまとめ、学籍番号・氏名を明記の上、メールでa1202@ngu.ac.jp宛に送信してください(打ち間違いに注意)。※未提出や期限後の提出は選考上不利になります。
(1)本演習のテーマのどのような点に興味をもち、履修したいと考えましたか?(志望動機欄との内容重複可)
(2)ミクロ経済学の内容のうち、特に印象に残っているものを詳しく教えてください(理由やどのような印象かなど)。
・1次募集における提出締切:10月14日(土)21:00
・2次募集:11月4日(土)21:00
・3次募集:11月18日(土)21:00