名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
4限【教養】外国文化論春A名古屋 21黄 名時AW1304

【授業情報】

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講義概要

(旧カリ名称・中国文化入門)

 中国といえば古代の水稲栽培と都城造営技術のほか、四大発明の製紙術・活字印刷術・羅針盤・火薬の技術開発が挙げられる。これらの発明がなかったとしたら、西洋の発展はあり得なかったとも言われる。
 
 今日中国で思い浮かべるのはパンダとニーハオ・シェシェ以外に、中華・餃子・シューマイ・チャーハン・ラーメン(中華そば)・辣油・唐揚げ・酢豚・うどん・豆腐・マーボ・肉まん・チャーシュー・ちまき・北京ダック、お茶、お箸…など飲食関連のものが多い。実は日常浸透している文化として、漢字・漢語・漢文、書道・印章、筆・墨・紙・硯、囲碁、漢方薬・ツボ・鍼灸・薬膳、陶磁器、マージャン、易占い、漢訳仏教、儒教、三国志・西遊記、シルクロード、気功・カンフー・少林寺・太極拳、胡弓、えと(干支)・暦、九九、桃の節句・端午の節句・七夕祭り・お盆・お月見・重陽の節句・正月元旦などの年中行事…、と枚挙にいとまがない。

 欧州並みの広大な国土にEUの2倍以上の、日本の10倍もの人々が暮らす多民族の中国は、前3世紀より19世紀をへて今日に至るまで東アジア周辺国に強大な政治的・文化的影響を与えてきた超大国である。東アジアは古代から現代に至るまで常に中国を中心に展開し、日本・朝鮮・琉球とベトナムその他東南アジア諸国など周辺の国々は曾て衛星国として位置づけられ、その傘下にあった。2000年間にわたった華夷秩序および朝貢・冊封体制として知られる。

 隋唐時代には日本からも20回にわたって遣使が派遣された。エリートの日本人留学生や学問僧が命がけで荒海を渡り、あこがれの中国の厖大な文物や文化を懸命に吸収して最先端の技術と知識を持ち帰り手本とした。すべてを唐風にすることを最大の目標とし、大陸文化を徹底的に模倣しコピーして国家としての体制と制度を整えていった時代である。先進国中国は日本にとってすべてを備えた最高の教科書であり、途轍もなく大きな存在であった。

 21世紀の今日に至るまで日本では中国文化のエッセンスが忠実に継承され、周りには中国文化が満ち溢れている。



【学習到達目標】

 中国とはどのような国なのか、中国語とはどのような言葉なのか、悠久の歴史と雄大な国土の中で育まれてきた大陸文化の特質を解説し、今日の中国社会に対する理解を深める。受講生が中国の伝統文化と中国の現状について基礎的な知識が得られることを目標とする。

 講義では、中国文化のバックグラウンドの伝統文化と、今のトレンドや最新事情を取り上げるとともに、併せて今後の日中関係と東アジアの共生について考えてみる機会としたい。

 VTRなどの映像資料を用い、目と耳からの情報で現在の生きた中国の姿を感じ取ることができるようにする。

★ディプロマ・ポリシーの「社会、文化等の知識」修得を主目的とする。



履修上の注意

 毎回小テストとして、講義後にレポートを書くことにより講義内容がきちんと把握できるようにする。

 この授業では主として、「近現代の中国とその文化遺産&伝統文化」を講義内容として扱う。

 出欠は教室のカードリーダーでCCS登録・集計するので、授業時に必ず学生証を携帯し自己責任で管理すること。学生証を忘れた場合は当日申し出ること。過去形の出席の届け出は認められない。

 初回講義から欠席のカウントをする。遅刻二回で欠席一回とする。15分以上の遅刻・退席は欠席扱いとなる。この授業では公欠・病欠・就活欠席など一切認めておらず、1/3以上の欠席で失格となるため特に注意をすること。

 必ず名簿順の座席表に従って着席し、授業中の携帯・私語・化粧・無断退出はすべて厳禁。



【事前準備学習】

 日頃より新聞・テレビやインターネットなどで中国関連の情報を入手し、中国の社会や文化に関する知識を積極的に吸収すること。
 
 毎回授業最後に用紙を配布し文章力をテストする。ハードルがやや高いため、作文力に自信のない者は、講義テーマについて下調べをし、自分の考えを書くためのトレーニングをしておくこと。

*戦後の今日の国際秩序は、戦勝国(米英仏中露)の国連常任理事国5カ国が大きな影響力をもっている。欧米諸国以外では唯一中国のみが国連常任理事国になっている。東アジアの歴史は古代から現代にいたるまで常に中国を中心に展開してきた。中国史・中国事情について事前・事後の学習が必要となる。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書プリント配布
参考書『中国文化史大事典』 黄名時ほか 大修館書店
『日中逆転 膨張する中国の真実』 日本経済新聞社 日本経済新聞出版社
『漢民族と中国社会』 橋本萬太郎 山川出版社
『中国の暮らしと文化を知るための40章』 東洋文化研究会 明石書店
『東洋経済史』 林善義ほか ミネルヴァ書房
『中国の衝撃』 溝口雄三 東京大学出版会 『中国語の表現』 林善義 大盛堂書房 『現代中国を知るための44章』 曽根康雄、藤野彰 明石書店
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

 授業態度と毎回の小テスト評点(50%)および学期末試験(50%、持込不可の論述式筆記試験、講義内容に即したテスト問題、解答300文字×4問)の成績でもって評価する。

 毎週講義の最後に小テストを課し、授業内容について受講者に感想・意見・論評・質問等を答案用紙に書いてもらい文章力を評価する。

 字数は少なくとも700文字以上を目安とし、答案は、講義内容全般にわたって論評するものとする。講義テーマの一部分しか論及していない答案や配布資料の丸写しは大減点となるので留意すること。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1中国文化理解へのアプローチ(講義概要)
2「万里の長城」2200年前の秦始皇帝の建造物
3日中文化交流史 ―唐長安城と遣唐使― (世界帝国・中国大唐への渡海)
4中国文明の進化と停滞 ―明代・永楽帝前後― (中国と西洋との対比)
5超大国中国の光と影:復興するスーパーパワー
6中国の自然&人々の暮らしと経済
7中国の伝統文化とチャイナタウン「横浜中華街」
8若者に教えたい「中国のこと」 ―中国の社会と人―
9中国21世紀のシルクロード・ユーラシア大陸横断鉄道 (一帯一路)
10習近平の中国 加速するイノベーション経済&キャッシュレス化のライフスタイル
11中国と欧州で加速する電気自動車へのシフト戦略
12“赤船”の日本進出ラッシュ ―中国のメイドインジャパンと日本の中国企業誘致―
13日中の懸け橋:`火鍋`を食す、中国で活躍する最も有名な日本人
14リアルタイムの素顔の中国 ―国境を越える日本文化―
15中国のカリスマ日本人教師の青春スピーチ
16定期試験期間