【講義概要】
民法において判例の検討が重要となる不法行為の分野を中心に学修を進めます。経済社会の中で民法はどのような機能をはたしているのか、また、就職に向けた力をつけていくためにも、新聞の読込み、関連時事問題の発表、グループディスカッションにも取組んでいってもらいます。講義計画で示しているスケジュールは、進捗をみつつ調整を行ない、また適宜、裁判・議会傍聴なども実施します。
【学習到達目標】
毎回の講義テーマで扱う判例について、条文とその解釈について発展的知識が定着している(法的知識の獲得)。応用的なケースについて、どのような点が争点となり、どの制度・条文が適用されるかを考察して、指摘できるようになる(多面的な調査・分析能力)。それらのことを、自分のことばでより長い記述および一定時間で口頭説明できるようになる(コミュニケーション能力)。社会人として必要であり、就活においてもアピールできる「チームワーク力」を身につける。
【履修上の注意】
ゼミでは、真摯な受講姿勢が、学修の楽しさと有意義な結果につながっていきます。個々のと努力とチームワークの双方を意識して臨んでください。
【事前準備学習】
事前学習として、講義テーマにしたがった教科書予習。事後学習として、授業の要点を教科書で確認して適宜問題演習に取組んで復習を行ない、適宜課題提出を行なう。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『民法4債権各論 判例30』 中原太郎他 有斐閣 2017 『大学生のための民法条文(第2版)』 大久保紀彦 三恵社 2002 |
参考書 | 『デイリー法学用語辞典(第2版)』 三省堂編修所 三省堂 2022 参考書「デイリー法学用語辞典(第2版)」は、4年間を通じてすべての法律科目に共通して用いることができる。さまざまな辞典が発刊されているが、基本入門的・ハンディなもののひとつとして推奨する。
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指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
真摯かつ積極的な授業参加とミニッツペーパー等の提出課題 80点
客観的自己振り返りにもとづくポートフォリオ作成提出 20点
さらに、各ゼミ生の努力と取組み姿勢を加点要素として総合的に評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 不法行為の要件 過失①:過失の意義 大阪アルカリ事件 | |
2 | 過失②:医療機関に要求される医療水準 姫路日赤未熟児網膜症事件 | |
3 | 権利・利益侵害①:保護法益の拡大 大学湯事件 | |
4 | 権利・利益侵害②:景観利益の保護の在り方 国立マンション事件 | |
5 | 因果関係:高度の蓋然性の証明 東大病院ルンバール事件 | |
6 | 損害:収入の減少がない場合 後遺症は残ったが収入減少がなかった | |
7 | 不法行為の効果 損害賠償の範囲:相当因果関係 冨貴丸事件 | |
8 | 損害額の算定:交通事故死亡被害者の生涯の逸失利益 | |
9 | 過失相殺:交通事故死亡被害者が自転車二人乗りの8歳二名であったケース | |
10 | 特殊不法行為 監督義務者責任 親権者の責任 サッカーゴール事件 | |
11 | 社会問題と法律 JR東海認知症高齢者鉄道事故 | |
12 | 使用者責任:団体における使用関係・事業執行性 | |
13 | 土地工作物責任:瑕疵の判断基準 井の頭線踏切事件 | |
14 | 共同不法行為:交通事故と医療事故の競合 | |
15 | 総まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |