名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
1限情報法春A名古屋 23吉永 公平LG3329

【授業情報】

表示する



講義概要

 情報法は、IT技術の進歩により、年単位ではなく月単位で変化しています。ビジネスパーソンや公務員等にとどまらず、学生を含めた一般市民にとっても、情報法を知らないことは「怖い」ことになってきました。情報法を活かすも殺すも、また、情報法に殺されるも、私たち人間次第です。まさに、人間のリーガル・マインドが問われる領域です。
 この講義は、1回目は導入として、近時話題となっているテーマを取り上げます。2回目以降は、皆さんが学んできた憲法をベースにして、前半と後半でテーマを分けます。前半(2~9回目)は、IT技術がそれほど関わらなくても成立する「アナログ情報法」です。以前から重要である表現の自由・知る権利・プライバシー権を中心に、メディア法や情報公開・個人情報保護といった、誰もが知っておくべき「ベーシックな情報法」を講義します。その中でも、ヘイトスピーチやアウティングのような、近時特に話題となっているテーマも取り上げます。講師は弁護士として地方自治体で勤務していますので、地方自治体の実務の実情もお話しします。後半(10~15回目)は、IT技術が大きく関わる「デジタル情報法」です。テーマを見てもよくわからないような内容ですが、現実に生じている問題です。実は、ニュース等でも報道されている内容です。皆さんも時代の流れについていき、アナログ・デジタル情報法の意義と問題点を一緒に学びましょう。



【学習到達目標】

①情報法と憲法の繋がりを理解する。
②アナログ情報法を十分に理解し、社会人としての最低限の情報法マナーを身に付ける。
③デジタル情報法をある程度理解し、日々進化する情報法への意識を高める。



履修上の注意

授業では憲法、民法、刑法、行政法等にも言及しますが、その場で知識の確認をしますので、知識に不安があっても履修に問題はありません。



【事前準備学習】

 参考文献等を読むことが望ましいですが、各テーマをウェブ上で検索して、見つかった記事等を10分程度読み、どのような内容の講義になるのか目星をつけておくことでも、講義の学習効果は大きく高まります。また、講義とは関係なく、ニュース等には常に関心を払ってください。現代社会では情報戦が常に繰り広げられています。情報を持たないことは、武器を持たないことだと言っても過言ではありません。丸腰では、自分も他人も守ることは困難です。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書教科書は指定しません。毎回資料を配布します。
参考書『レクチャー情報法』 松井修視(編) 法律文化社 2012
『18歳からはじめる情報法』 米丸恒治(編) 法律文化社 2017
『情報法入門 デジタル・ネットワークの法律(第6版)』 小向太郎 NTT出版 2022
『AIと憲法』 山本龍彦(編著) 日本経済新聞出版社 2018
網羅性があるものは「レクチャー情報法」です。読み易いものは「18歳からはじめる情報法」です。デジタル情報報に関心があれば、「情報法入門 デジタル・ネットワークの法律(第6版)」や「AIと憲法」をお薦めします。
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

平常点10% 定期試験90%



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1情報化社会と憲法~違法漫画サイトを例に~
2表現の自由・知る権利・プライバシー権とメディア法
3ヘイトスピーチ・アウティングと政策法務
4行政情報の公開① 制度の概要とオープンデータ
5行政情報の公開② 行政処分としての公文書開示請求・決定
6行政情報の公開③ 開示手数料から見る「民主主義のコスト」
7個人情報の保護① 官民の個人情報の保護~国家機関から町内会まで~
8個人情報の保護② 個人情報の各種保護方法
9個人情報の保護③ 個人情報の活用・マイナンバー
10インターネット上の匿名投稿による名誉毀損とIPアドレスの開示
11サジェスト汚染と忘れられる権利
12パーソナルデータ・ビッグデータと情報銀行
13アテンション・エコノミーからインテンション・エコノミーへ
14IoT・AI時代における既存法の揺らぎ
15Information Control, or Controlled by Information
16定期試験期間