【講義概要】
本講義は旧カリキュラム名(「英米文化入門」)にしたがい英米文化について論じるが、現代世界に及ぼす影響力の大きさから、アメリカを中心に語ることになる。
文化とは人間の営みの総体であろうが、時代を象徴する個人が新しい文化の潮流を主導する面もある。戦争や革命など巨大な政治変動に飲み込まれ、文化が変容することもある。本講義では全体としてはアメリカ文化の展開を時代順に論じることになるが、特に後半は一個人に焦点をあてることも多くなり、また、テーマによっては時代を数世紀も遡ることがある。
各回の講義は、下に記す「学習到達目標」を意識した構成になる。欧米以外の文化圏との比較が再三話題になろうが、これは単純に優劣を論じるものではなく、文化的差異の超克を目指すべき若い世代に一つの穏当な視点を提供することを意図している。
対面での授業はパワーポイントを使って進める。スライドには写真や絵を載せることが多く、それを解説したWORDファイルを毎回CCS上で配布する。さらに配布資料としてアメリカ文化に関わる史料をCCSに載せることがある。英語史料の場合は日本語に訳したものを用意する。
授業が非対面となった場合は、Teamsを使用した授業を予定している。配布資料のサイズが大きく数も多いので、通信費が余分に掛からない環境でダウンロードするようにしたい。
この科目のTeamsコードは、08022np です。
【学習到達目標】
(1) アメリカ史の大枠を把握し、教養を深める
(2) アメリカ人の残した記録を通して、アメリカ文化を知る
(3) 同時代の非欧米の文化状況と比較し、文化の多様性を理解する
【履修上の注意】
・学則で示された最低限の出席が必要です。出欠管理は各自の責任で行ってください。
・2単位科目では、毎週90分の授業に加えて、4時間の授業外での学習が公的に求められています。配布資料を完全に理解するのに、その程度の時間がかかるように作成しています。
・私が話し終えたらすぐに小テストになります。講義内容を整理する時間はありません。そのため、予習が必要です。
【事前準備学習】
・講義テーマを読み、そこに書いてある項目をよく知らなければ、事前に調べておいてください。
・講義を聴く前に配布資料を時間をかけて読み、事典や事典サイトで確認しておくとよいでしょう。
・小テストには復習問題が出題されることがあります。適宜、復習が必要です。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 市販の教材は使用しません。CCSの「教材ボックス」に資料を載せます。 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
基本的には点数化されたもので評価します。毎回小テストを行い、その累積点が成績を決定するようにします。また、平常点を少しだけ加点することにします。(どうすれば加点されるかは、明かせません)。
<要注意>
成績に疑義があれば、教務課に「成績評価確認願」を提出できます。それを受けて成績評価のプロセスを精査し、私にミスや誤りがあれば評価を訂正します。しかし、履修者本人にいかなる事情があっても、不合格者のために「救済課題」「再試験」等は用意しません。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | この講義の概要。 日本人が捉えた「アメリカ文化」像の変遷 | |
2 | ヴァージニア植民地とプランテーション。ピューリタン精神、日記、魔女、独立自営農 | |
3 | 明白な運命、ゴールドラッシュ、ホームステッド法、対メキシコ・対スペイン戦争 | |
4 | アメリカ南部とは。南北戦争の原因と結果 | |
5 | インディアン虜囚記、インディアン嫌い。自由黒人、奴隷制反対論者 | |
6 | 女性の状況(植民地時代、独立戦争前、独立後) | |
7 | 金メッキ時代、有閑階級の誕生、独占資本と腐敗 | |
8 | 人の移動と文化・病気の伝播。自然との関係(克服・共存・保存) | |
9 | モダニズムの時代認識と第1次世界大戦 | |
10 | 産業社会の光(送電・電話網、高層建築、百貨店、自家用車、フラッパー) | |
11 | 産業社会の影(労働争議、無政府主義) | |
12 | 中流階層とアメリカ的生き方(強固な個人主義、大衆文化、5大スポーツ) | |
13 | 変化する人種差別(黒人文化の受容、東洋人排斥) | |
14 | ニューディール時代と第2次大戦中の文化状況。公民権運動 | |
15 | ブリテン島の歴史とアングロサクソン人の文化的貢献 | |
16 | 期末試験期間 | |