【講義概要】
トポロジー(位相幾何学)は、図形の形状を問題にする学問である。そこでは、図形を曲げたり伸ばしたり縮めたりしても変わらない性質を探究する。
本講義では、イメージしやすい2次元の図形を中心に、ある条件下でどのような図形が考えられるのか、2つの図形が同じかどうかをどう判定するのか、といった問題について考える。与えられた条件を満たすものとしてどのような可能性があるのかを全て網羅することは、一般になかなか難しい作業であるが、いろいろなアイデアによりそれが単純な作業に帰着できたり、意外に簡単な結論が得られたりすることがわかる。こうしたことを通して、論理的な思考法や問題解決の手法に触れ、客観的なものの見方を養う。
特別な知識は必要ないが、抽象的な思考法に慣れていること、立体的な図形を想像し頭の中で操作する作業がそれなりにできる必要がある。
なおこの科目はカリキュラムポリシーの「成熟した市民として必要な教養の獲得」を目標としており、ディプロマポリシーの関連項目は以下のとおりである。
知識・技能
1) 人間、社会、文化、自然等に関する幅広い知識を身に付けている。
3) 情報収集・分析力、論理的思考力等の技能を身に付けている。
思考力・判断力・表現力
1) 実社会で生起する様々な課題を正確に理解し、それぞれの学問領域に即して解決策を考えることができる。
【学習到達目標】
「全ての可能性」を尽くすための手法を体験することで、その重要性と工夫の必要性を理解し、さらに、例外を許さない丁寧な証明の重要性を理解すること。その結果として、具体的に曲面の同相判定ができるようになること。
【履修上の注意】
平常点100%で成績評価を行う。平常点は毎回の提出物とまとめのレポート課題により総合的に評価する。特に何かの教科書に沿った授業ではないので、毎回授業に出席し内容を十分に理解するように努力すること。なおもちろん数式を用いた内容となるので、数式の扱いには慣れている必要がある。
毎回CCSを通じて講義資料を提供するので、予習をして臨み、指示に従って課題を提出すること。講義内容は基本的に資料そのままである。
授業では資料を参照する用意をすること。パソコンやスマホ等で閲覧してもよい。
非対面の場合には、CCSを活用した基本型授業(教材提示・課題提出)とする。この際は提示された資料を読んで把握し、指示された課題を提出することが授業となる。
【事前準備学習】
特別な準備は必要ないが、頭の中で図形を操作してその形を考える場合が多いので、立体的な図形を想像したり絵に描いたりする練習をしておくことが望ましい。特に、毎回の講義で扱われた図形について自ら再度描画するなど、慣れておくことが必要である。
毎回CCSを通じて講義資料を提供するので、予習をして臨むこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点(毎回の提出物とまとめのレポート)100%によって評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | トポロジーの起源と一筆書き | |
2 | 1次元トポロジーと同相変形 | |
3 | 2次元トポロジーと同相変形 | |
4 | 曲面、閉曲面 | |
5 | 曲面の展開 | |
6 | 曲面の展開の練習 | |
7 | 展開図から完成図へ | |
8 | 展開図の略記法 | |
9 | 展開図上で考える | |
10 | 完成図での角の集まり方 | |
11 | オイラー数 | |
12 | 展開図からのオイラー数の計算、標準形 | |
13 | 閉曲面の分類定理 | |
14 | 閉曲面の特徴づけ、境界付き閉曲面 | |
15 | 向き付け可能性、不動点定理等 | |
16 | 定期試験期間 | |