【講義概要】
現代世界のイメージを構築した「大英帝国」と〈戦争の文化〉について考えます。
パンデミックが起こるほどにグローバリズムの時代を迎えている世界は、いったいどのように形成されてきたのでしょう? その歴史と様々な文明論的視野を踏まえた〈現代世界の諸問題〉を考えざるをえない状況に、私たちは直面しています。
そこでは、WHOがパンデミックを議論すると同時にインフォデミック(infodemic)への注意喚起を呼び掛けた(それについての議論も多々生じていますが)のと同様に、グローバルに物事を考えるには、なるべくファクトに自らの思考を引き寄せつつも、多重多層のファクトを受容していく柔軟な知性が求められています。
この講義では、BBC/The Open University 制作『Empire 大英帝国の功罪』(2012年)全5巻を基礎に「現代世界」の形成を概観しつつ、それが21世紀には〈戦争の文化〉(ジョン・W・ダワー)の様相となっている現実を掘り下げていきます。
なお、本講義は、本学のディプロマポリシーである人間、社会、文化、自然等に対する幅広い知識を身に付け、豊かな国際感覚を整え、社会の発展に貢献できることを目指しています。
【学習到達目標】
世界の成り立ちと趨勢の相関関係をよく認識し、新聞、ニュース番組等の内容を、時間的にも空間的にも、より深く理解できるようになる事が、本講義の到達目標です。
【履修上の注意】
まず、提供された資料をよく理解する事に努め、講義内容を聞きながら、ジャーナリストになったような心持ちで、自らノートをきちんととれるようになっておく事が肝心です。
非対面講義日には、いわゆるオンデマンド方式(資料配布・課題提出)となりますので、講義予定時間以降、科目のCCS教材欄へアクセスして、教材の指示に従い、それぞれの課題を提出して下さい。
【事前準備学習】
日頃からニュース(マスメディアばかりではなく、SNSやネットなどでのそれも)に敏感に反応できるようになっておきましょう。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『コロナ禍後の世界ー〈人類運命共同体〉の岐路』 鈴木規夫 国際書院 近刊 『戦争の文化 上・下』 ジョン・W・ダワー 岩波書店 2021 『 オリエンタリズム』 エドワード・W.・サイード 平凡社 1993 『危機の二十年――理想と現実』 E.H.カー 岩波文庫 2011 『現代国際関係史: 1945年から21世紀初頭まで』 有賀 貞 東京大学出版会 2019 『コロナ禍後の世界ー〈人類運命共同体〉の岐路』(仮題)は発刊予定ですが上梓されましたら、また改めてお知らせします。
その他、必要に応じて講義中に参考文献を指示します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点100%(出席状況および期間中数回のレポート) 但し、コロナ禍の状況に応じて臨機応変に対応します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | はじめに | |
2 | 世界・国際・グルーバル―現実世界のイメージの形成(1) | |
3 | 世界・国際・グルーバル―現実世界のイメージの形成(2) | |
4 | 大英帝国の功罪(1)覇権の味 | |
5 | 大英帝国の功罪(2)英国式生活を求めて | |
6 | 大英帝国の功罪(3)フェアプレー精神 | |
7 | 大英帝国の功罪(4)富の追求 | |
8 | 大英帝国の功罪(5)帝国の功罪 | |
9 | 〈戦争の文化〉(1)プロローグ | |
10 | 〈戦争の文化〉(2)「開戦」 | |
11 | 〈戦争の文化〉(3)「テロ」Ⅰ | |
12 | 〈戦争の文化〉(4)「テロ」Ⅱ | |
13 | 〈戦争の文化〉(5)「国家建設」 | |
14 | 講義補完α | |
15 | 講義補完β | |
16 | まとめ | |