【講義概要】
本講では、まず、生徒指導と進路指導の意義と方法を問うことから始め、その上で、個別指導と集団指導、チーム指導を実際にどのように展開していったらよいかという点に関する理解を、教科書と「生徒指導提要」、および配布する具体的な資料をもとに深めていく。
生徒指導については、「機能概念」である点を理解できるよう、自分自身の体験を想起しつつ、仲間との意見交換や様々な資料を通じて考える。生徒指導の現代的な意義をとらえ、具体的に学校では何を、どのように行うのか、という点を明確化する。
他国の教育課程を概観する中で、日本の学校教育の特殊性を生徒指導から把握する。
進路指導については、新設された学級活動(ホームルーム活動)「内容⑶」をていねいに学び、学習指導要領の今期改訂の意義をおさえる。さらに「キャリアパスポート」等、最新の動向を踏まえた理解に努める。
【学習到達目標】
1 生徒指導と進路指導の基本的な考え方について、理解を深めることができる。
2 個別指導と集団指導、チーム指導の基本的な技法について、特に小集団演習を通して、理解を深めることができる。
3 「キャリア教育の要」としての特別活動、ことに学級活動「内容⑶」の意義を理解し、授業づくりの流れを説明できる。
4 日本の学校教育の特徴を、海外の例を用いながら、「生徒指導」及び「進路指導」の面から説明できる。
【履修上の注意】
座席を指定します。定期的に席を変え、意見交換をする仲間が過度に固定しないようにします。
教科書を授業中に読み、意見交換をしたり、指定箇所の要約をCCSに書き込む宿題など、ほぼ毎回利用しながら進めます。
生徒指導も進路指導も、そのそれぞれ15回ずつでも足りないほどであるので、教科書を用いた課題で理解度を補います。
諸般の事情により、必要に応じて授業実施方法について変更する場合があります。
CCSのMinutePaperを利用するため、PC等、意見を入力できるデバイスを持参してください。
【事前準備学習】
教科書と国のガイドラインである「生徒指導提要」を通して、具体的な課題意識の掘り起こしを行う。
毎回、予習・復習、各2時間分の資料を配付します。
講義で得た「問い」を、自分自身の力で解決していこうとする学習姿勢を期待します。
自分自身の体験を振り返る機会が多いですが、体験を経験に高められるよう、資料や文献を読んで相対化していくことが大切です。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『生徒指導提要改定の解説とポイント 積極的な生徒指導を目指して』 中村豊編著 ミネルヴァ書房 2023年 教科書として大変使いやすく、内容が濃い文献を選びました。毎回の授業に携行するとともに、通読されることを強く勧めます。生徒指導分野では、自分の体験からくる思い込みを砕いてくれます。また進路指導分野では、ご自分の卒業後を考える材料にできます。授業中、宿題とほぼ毎回利用します。 |
参考書 | 『生徒指導提要』 文部科学省 文科省HP 2022年 『中学校キャリア教育の手引き』 文部科学省 教育出版 2011年 『現代生徒指導論』 日本生徒指導学会 学事出版 2015年 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
リフレクションペーパーへの記述の質(30%)・グループ検討レポートや実習の振り返りワークシート等への記述(20%)・期末を含む複数回のレポート(50%)の比率で評価を行う。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション | |
2 | 生徒指導の現状と問題点 | |
3 | 生徒指導のための基礎理論1(生徒指導の2形態) | |
4 | 生徒指導のための基礎理論 2(ガイダンスの三大潮流) | |
5 | 生徒指導のための基礎理論 3(生徒指導の3つの機能) | |
6 | ねらいとしての自己指導 | |
7 | 校則指導の実際 | |
8 | 安全指導、危機対応の実際 | |
9 | 家庭・地域連携、保護者対応の実際 | |
10 | 専門職・専門機関等との連携 | |
11 | 進路指導の現状と問題点 | |
12 | 進路指導のための基礎理論 | |
13 | 進路指導・キャリア発達支援の実際 | |
14 | 自己目標の段階的設定支援と進路相談 | |
15 | 生徒指導・進路指導の課題と展望 | |
16 | 定期試験期間 | |