【講義概要】
現代社会の生活において,化学が作り出した物質・素材なしでは考えられない。例えば,生命を構成する分子や,近年のエネルギー資源の枯渇や環境問題の深刻化についても,単なる社会問題として取り扱うだけでなく,化学の技術の進歩・開発無しにその問題解決は考えられない。すなわち,化学の知識を持つことは,人類の持続可能の発展に寄与することは明確である。そこで,これまで化学を選択してこなかった学生も考慮しつつ,一般教養としての化学を身につけることを念頭に,例えば,自然界で起こる多彩な現象や,自然界に存在する様々な物質を化学的に理解・解釈し,さらには汚染物質に対する知識や地球環境の修復・保全に対しても化学的に議論できる授業内容にしていく。最後に,これまで10年間従事してきた最新の生活支援ロボットを使った実証研究や病院との連携を通じた医工学研究について紹介し、人間や生体に関わる化学との関わりの可能性について講義する。
【学習到達目標】
身の回りには暮らしを支えている様々な化学物質があるだけでなく,身の回りの様々な自然現象に対しても,化学の目を通して見ると簡潔にわかりやすく説明できる。このことは,生命活動を支える細胞内の化学反応,さらには地球環境や汚染物質,エネルギーの関する諸問題にも繋がるものがある。ここでは,将来の新しい科学技術に対して,化学的な思考力で理解・解釈できるようになることを到達目標とする。
【履修上の注意】
授業には毎回出席すること。
理解度を確認するための演習問題や事前資料を必要に応じてWebシステム上にあげるので必ず実施すること。
この授業は、非対面授業週の講義を、CCSを活用した基本型授業(教材提示・課題提出)で実施する。
【事前準備学習】
事前にシラバスの授業内容を確認し,配布資料を参考に事前学習することが望ましい。
日頃から日常生活の様々な物質(洗剤・化粧品・食品添加物・医薬品,プラスチックや衣料品など)に対して,どのような化学物質・成分からできているか,関心を持つことが望ましい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 必要に応じて,Webシステムにて,授業に関するプリント,および演習問題をPDF等の電子ファイルで配布する。 |
参考書 | 『教養の化学 -暮らしのサイエンス-』 D. P. Heller, C. H. Snyder著 東京化学同人 2019 『生命の化学 -バイオサイエンスの基礎づくり-』 安藤祥司、熊本栄一、兒玉浩明、高崎洋三 著 化学同人 2001 『基礎から学ぶ 大学の化学』 梅本宏信 編 培風館 2011 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
毎回の授業における課題提出および平常試験
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 化学の世界 | |
2 | 物質の構成粒子と周期律 | |
3 | 化学結合と分子間にはたらく力 | |
4 | 物質の状態,溶液 | |
5 | 酸と塩基 | |
6 | 生体に重要な元素と水のはたらき | |
7 | 生体を構成する分子(その1) -糖質とアミノ酸 | |
8 | 生体を構成する分子(その2) -ヌクレオチドと核酸 | |
9 | これまでのまとめ(1) | |
10 | エネルギーと環境の化学 | |
11 | 生体をとりまく環境汚染分子 | |
12 | 食品と健康の化学 | |
13 | くすりと遺伝子の化学 | |
14 | 放射能と原子力の化学 | |
15 | これまでのまとめ(2) | |
16 | 定期試験期間 | |