【講義概要】
わが国は世界でもトップクラスの経済力を持ち、平均寿命、乳児死亡率、健康寿命といった健康指標も常に上位を占めています。しかしその一方で、糖尿病、高血圧、虚血性心疾患等の生活習慣病の患者が増加しており、これらの状況に伴い、医療費の増大が深刻な社会問題になっています。その結果、自身の健康に何らかの問題を抱え、将来に不安を感じる人が多数、存在することも事実です。
予防医学は、疾病に関わるさまざまな要因を研究し、疾病の予防を行うことや、心身を病気になりにくい状態におき、健康増進を図るための学問です。健康は職場・地域・家庭における日常の営みに大きく影響される部分を有します。生体の持つ種々の生理機能を理解し、加齢や生活習慣の影響に伴う各種の機能低下や疾病、現代の医学・医療が抱えている問題等を総合的に学ぶことにより、疾病をどのように回避するか、また、栄養や運動等が疾病予防や長寿にどのように関わるかについて、ともに考えていきましょう。
また、この授業では、、本学のカリキュラムポリシーに準拠し、テレビや新聞等のメディアでしばしば話題にあがる健康および医学・医療に関する内容を議論し、その内容について論理的に検証していくことも予定しています。「医学・医療雑学」を学ぶ側面を持つことにより、健康および医学・医療をより身近に感じて学んでいただきたいと考えています。
以上、上記に述べた内容を学ぶことにより、広い社会医学的知識を持つとともに、論理的思考をトレーニングし、将来の業務に生かしていく基礎的能力を養うことで、本学のディプロマポリシーに合致した知識、技能の習得を目指します。
【学習到達目標】
生活習慣から起こりうる疾病の予防に対する理解を深め、将来、予防医学に携わる立場となった時に必要とされる基本的な知識を得ることを目標とします。また、基本的な医学的思考力、論理的思考力を会得し、自分の考えを的確に他者へ伝えることができることを目指します。
【履修上の注意】
論理的思考を駆使し、得られた知識を日常生活の中で「利用」するようにしてみましょう。
当科目の単位取得には最終回の「学習到達度判定」の受講を必須とします。その受講資格は第14回目の授業終了時点で8回以上の出席です。当科目では、教育実習による欠席および大学から出席停止の指示があった場合を除き、就職等の活動やクラブ活動、病欠など、欠席の理由に関してはいっさい考慮致しません(「授業欠席届」による処理は致しません)。単位取得を希望される方は受講計画をしっかり立てて御受講いただくとともに、出席回数の管理はご自身で責任を持って行って下さい。なお、講義開始時刻から10分以上の遅刻の場合は欠席として処理し、講義中の私語等、講義の進行に悪影響を及ぼす行為をされる受講生の方には退室していただきます。
御受講の学生諸氏におかれましては、以上の条件をご承諾いただいたものと致します。
【事前準備学習】
前回の講義内容の概要を把握した上で、受講するようにこころがけてください。前回の講義内容で理解が不十分であった内容は具体化しておき、質問することにより、解決を図るようにするとよいでしょう。また、講義で得た知識をさらに広げていくために、インターネットなどを活用し、関連事項等を調べてみることをお勧めします。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『イラスト 公衆衛生学』 石川哲也 他 東京教学社 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
「学習到達度判定」、および、試験等により評価を行います。なお、【履修上の注意】に示した出席回数が単位取得に際しては必要ですが、その出席回数を超えていれば、出席回数は評価に影響を与えません。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 予防医学とは | |
2 | 現代における健康とは | |
3 | 現代における病気とは(我が国の健康レベルの現状をふまえて) | |
4 | 1次・2次・3次予防 | |
5 | 生活習慣と疾病1(動脈硬化) | |
6 | 生活習慣と疾病2(高血圧) | |
7 | 生活習慣と疾病3(糖尿病) | |
8 | 生活習慣と疾病4(脂質異常症およびメタボリックシンドローム) | |
9 | 生活習慣と疾病5(悪性新生物) | |
10 | 生活習慣と疾病6(骨粗鬆症) | |
11 | 感染症とその予防 | |
12 | 疫学研究方法概論およびEvidence Based Medicine(EBM)の有用性 | |
13 | 健康寿命と現代の医学・医療が抱える問題点 | |
14 | 健診および検診の意義 | |
15 | 授業総括と学習到達度判定 | |
16 | 定期試験期間 | |