【講義概要】
2021年11月2日英国グラスゴーで開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)において岸田総理は、「日本は2050年カーボンニュートラルを新たに策定した長期戦略の下で実現していく」と宣言した。さらに、「2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46パーセント削減することを目指し、さらに50パーセント削減の高みに向け挑戦を続けていくことを約束する」と述べている。しかし、2020年に国内で約11.5億トン排出されている温室効果ガスを2050年にゼロとするためには、これまでのエネルギー政策全体を抜本的に見直さなければならず、目標達成には高い壁が立ちはだかる。気温上昇を産業革命前から1.5℃の上昇に抑えるとするパリ協定の世界的な機運の高まりを受けて、政府のみならず自治体や民間企業においてもカーボンニュートラルへの取り組み目標を掲げる動きが現れており、それぞれの対応が今まで以上に注目される。
本講義では、持続可能な社会のための環境・経済・社会の政策統合を念頭に、環境政策に関する国際的な議論の動向を概観し、日本における環境問題の変遷や法制度について、また合意形成の過程での市民参加や協働の意義について解説する。さらに実務の現場で行われている地球温暖化対策の具体的な事例を取り上げ、環境問題の現状と課題について講義する。
【学習到達目標】
環境を意識した生活習慣を身につける。
身近な環境問題の解決に自ら行動することができる。
国際的な視野で環境を考えることができる。
【履修上の注意】
遅刻・無断欠席・私語・スライドの撮影は厳禁。授業中はスマートフォン、タブレット端末の電源を切り、カバン等にしまうこと。
ルールを守れない人は退出を命じることがある。
毎回提出するレポートは、授業時間内に提出すること。提出期限を過ぎたものは受け付けない。
いかなる理由があっても6回以上の欠席(レポートの未提出)は失格とする。
授業では、教員の説明をよく聞いて理解し、自分でノートに落とし込むことが求められる。ただ授業に出ているだけでは単位は取れないので、環境に興味がない人は「履修しない」ことをお勧めする。
【事前準備学習】
毎回講義の最後に次回講義の内容に関して「問い」を出すので、自分なりに調べて「答え」を用意しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『環境経済・政策学事典』 環境経済・政策学会[編] 丸善出版 2018 『環境経済・政策学の基礎知識』 環境経済・政策学会[編] 有斐閣ブックス 2006 毎回講義の最後にスライドで参考文献を提示するので、併せて参考にしてほしい。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
試験70%、平常点30%
試験は、期末試験の結果から評価する。期末試験は、自筆のノート持ち込み可とする。
平常点は、毎回講義のテーマに関し講義終了後にレポートを提出すること(全15回)。レポートは講義の内容をどの程度理解しているかを評価する。不正行為(ネットで検索する、他人が本人の代わりに提出する、友人同士でレポートを見せ合うカンニング行為等)を1度でも行った者は、平常点(30点満点)を0点とする。なお6回以上レポートが未提出のものは失格とする。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 環境とはなにか | |
2 | 公害と訴訟 | |
3 | 環境法の原則 | |
4 | 国際環境法の概念 | |
5 | 生物多様性条約と名古屋議定書 | |
6 | 気候変動枠組条約と京都議定書 | |
7 | COP21パリ協定の意義 | |
8 | エネルギーミックスと脱原発 | |
9 | カーボンプライシングと環境税 | |
10 | 再生可能エネルギー政策 | |
11 | 企業の社会的責任 | |
12 | グリーン・イノベーション | |
13 | 自治体環境政策 | |
14 | ローカルアジェンダ21 | |
15 | SDGsとはなにか | |
16 | 定期試験期間 | |