【講義概要】
法というものがなければ今あるような社会生活は成り立たない。これに反対する人はあまりいないように思います。しかしそのとき、みなさんの頭の中にある法のイメージとは、いわゆる〈御法度〉(「禁止を破ったら刑罰を受ける」)なのではないでしょうか。たしかにそれも、法が社会で起きる問題に対処するときのひとつのやり方ではありますが、そこに目を向けるだけでは、法や法学が取り組んでいる問題およびその解決の姿を捉えられたとは到底いえないでしょう。
授業では、上述の漠然としたイメージを超えて、今後の生活のなかで触れるニュースや身近な問題の捉え方に役立つような、法に関する基本的な知識や考え方を身につけることを目標とします。また、それは同時に、この世の中に公務員が存在することの意義や市民が法を学ぶということが自由・権利を尊重する秩序づくりに組み込まれていることの意義などについて考えることにもつながっていくものと思います。
【学習到達目標】
・法学に関わる用語や概念の意味を理解する。
・法解釈や法適用のあり方を理解する。
・わが国の法制度のおおまかな全体像を理解する。
・自由な個人と社会制度の関係の捉え方を身につける。
【履修上の注意】
授業中の私語は厳禁します。授業中のスマホ操作は禁止します。
予習の目的は、主に、授業参加者の間で話題を共有し、それについて各自の意見や疑問を持つことにありますので、内容があまり理解できなくても心配しないでください。
授業中は、授業計画に示した問題について簡単な議論への参加を求めることもあるかと思いますが、扱う問題はひとつの正解があるというものではありませんので、気楽に臨んでください。
なお、社会や国家について知るために、日頃から社会に関するさまざまなニュースに興味・関心を持って接するよう心がけてください。また、人間について知るために、小説、漫画、映画、ドラマ等々、ジャンルを問わず、興味の湧く作品に積極的に触れておくことを勧めます。
【事前準備学習】
【事前学習】
配布資料を読む。
【事後学習】
授業プリント、配布資料の内容を見返しておく。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『現代実定法入門〈第3版〉』 原田大樹 弘文堂 2023 |
参考書 | 『キヨミズ准教授の法学入門』 木村草太 星海社新書 2012 『憲法主義:条文には書かれていない本質』 内山奈月・南野森 PHP文庫 2015 『グラフィック行政法入門』 原田大樹 新世社 2017 『リーガルベイシス民法入門[第3版]』 道垣内弘人 日本経済新聞出版社 2019 『環境法 第2版』 北村喜宣 有斐閣(有斐閣ストゥディア) 2019 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
① コメントシート 10%
② レポート×2 40%
③ 定期試験 50%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 法と正義 | |
2 | 法解釈はなぜ説得的でなければならないか? : 公権力行使と法解釈 | |
3 | 法解釈はなぜ説得的でなければならないか? : 法解釈・適用のあり方 | |
4 | 権利の境界線はどのように決まるのか? | |
5 | 判例は何の役に立つのか? | |
6 | 行政法の役割とは? | |
7 | 自分のために行動したら、みんなのためになってしまう仕組みとは? | |
8 | 家族・親子 | |
9 | 法の体系と形式 | |
10 | 相続 | |
11 | 法学における議論の特徴 | |
12 | 法と利害関係者 | |
13 | 公私の峻別 | |
14 | 法の存在意義 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験 | |