【講義概要】
本講義は、国際政治の歴史、および理論の基本事項を理解することを目標とする。第一に、国際社会の誕生から二度の世界大戦をへて冷戦、ポスト冷戦へと至る国際政治史を概観する。第二に、世界大戦を契機に確立された国際政治学の理論について、基本的アプローチとしてのリアリズムとリベラリズムを解説し、併せてその他の代表的諸理論を解説する。そのうえで、現在の国際社会に生起する多様な問題を取り上げ、国際政治学的な視点から検討する。
なお、本講義は、カリキュラム・ポリシーに掲げる「法学の体系的理解をめざす8つの基幹的法律科目群」のなかの政治学科目に該当し、社会の持続的発展に貢献できる視野の広い人材の育成を目標とするディプロマ・ポリシーを達するため、情報収集・分析力、論理的思考力等の技能を身に着けるとともに、本講義の学修成果を活用し、多様な人々と協働して問題解決に向けて行動しようとする姿勢を育むことを目的とする。
【学習到達目標】
国際政治学とは、国際関係全体の中の主権国家間の政治現象が、国際社会の中で持つ意味あるいは機能などについて検討する学問である。そのため、現代の国際政治を理解し、その動向を見極めるためには、現代の国際政治で生じている様々な問題の歴史的背景を理解し、分析ツールとしての基本的な国際政治理論を知ることが必要条件である。よって本講義は、国際政治の歴史・理論の基本事項を解説し、現代国際政治の全体像を理解することを目標とする。
【履修上の注意】
本講義は、国際政治の歴史や理論について、適宜、時事問題を取り上げながら解説していく。そのため、現代国際社会と日本社会との相関に問題意識を持つこと、日頃より新聞などに眼を通す癖をつけること、私たちを取り巻く情報や社会の変容に常にアンテナを張るようにすること、などが求められる。
【事前準備学習】
本講義は、政治学の基礎知識、および世界史の基本的流れを理解していることを前提に進める。よって受講生は、事前に参考書などで上記を再確認のうえ、当該講義計画(講義テーマ)の内容周辺を予習したうえで講義に出席することが望まれる。また、事後には、講義内容を復習・整理し、次回講義に向けて理解を定着させておくことが望まれる。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特に指定しない。適宜、レジュメを配布する。 |
参考書 | 『よくわかる国際政治』 広瀬佳一・小笠原高雪・小尾美千代(編) ミネルヴァ書房 2021年 『東アジア国際関係の新展開』 鈴木隆 志學社 2017年 『日本の国際関係論: 理論の輸入と独創の間』 大矢根聡 勁草書房 2017年 『安全保障と国際関係』 鈴木隆ほか 内外出版 2016年 『国際政治学をつかむ[新版]』 村田晃嗣・君塚直隆・石川卓・栗栖薫子・秋山信将 有斐閣 2015年 『国際関係論講義』 山影進 東京大学出版会 2012年 『東アジア統合の国際政治経済学』 鈴木隆 国際書院 2011年 『グローバル社会の国際関係論』 山田高敬・大矢根聡 有斐閣 2011年 『日本外交と国際関係』 鈴木隆ほか 内外出版 2009年 上記以外については講義の中で適宜紹介する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
期末の試験と講義の進捗に合わせて適宜実施する小テストとの結果を総合して判断する。
なお、小テストについてはテスト終了直後にCCSを通じて解説を行う。また、定期試験についてはCCS経由で案内する方法にて解説を行う。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション | |
2 | 国際社会の形成と変容 | |
3 | リベラリズム | |
4 | リアリズム | |
5 | コミュニケーション理論とゲーム理論 | |
6 | 合理的行為者モデル・組織過程モデル・政府内政治モデル | |
7 | 相互依存モデル・従属論・世界システム論 | |
8 | ネオリアリズムとネオリベラル制度主義 | |
9 | アメリカの対外政策 | |
10 | ヨーロッパ連合の対外政策 | |
11 | 中国をめぐる国際関係 | |
12 | 朝鮮半島をめぐる国際関係 | |
13 | 国際政治の課題Ⅰ:核抑止・核拡散・核軍縮 | |
14 | 国際政治の課題Ⅱ:人間の安全保障 | |
15 | 国際政治の課題Ⅲ:人権と人道的介入 | |
16 | 定期試験期間 | |