【講義概要】
「マクロ経済学」は、一国や一地域の経済全体を分析対象とした学問である。「アベノミクス」や「景気」といった話題は、マクロ経済学、ひいては私たちの生活と直結している。例えば、景気が悪化すれば失業者が増え、賃金もあがらず、家計に余裕がなくなる。学生にとっては、アルバイトが見つかりにくくなったり、小遣いが減ったりするかもしれない。つまり、諸君の財布の中身は、日本経済の良し悪し次第なのである。
本講義では、GDPや物価指数などマクロ経済の動きを見る上で不可欠な指標を理解し、それらが実際どのように動いているのかを学ぶ。したがって、講義中にグラフが多用されるが、恐れなくてよい。グラフの見方に一度慣れれば、その有用さに気づくはずである。個々のグラフを確実に理解するという基礎訓練が、不況などの現実問題を考えるための土台となる。根気よく講義と演習問題に取り組み、自分の理解を確かめながら確実に進もう。
本科目は複数の教員が担当しているが、どのクラスでも講義内容は同じであり、反転授業を取り入れている。毎回、授業前に講義動画で学習して授業に臨むようにすること。授業の冒頭で確認テストを実施し、その結果が平常点となる。以上のように、本科目は理解度を高めるための様々な工夫がなされている。
◆学部のディプロマポリシーおよびカリキュラムポリシーとの関係
本科目は学部カリキュラムの「基幹科目」に属する必修科目であり、その履修を通して、ディプロマポリシーに掲げる以下の能力を獲得することが特に期待される。
【知識・技能】経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなすことができる。
【思考力・判断力・表現力】社会を洞察するための論理的思考力をつけ、因果関係の把握等ができる。
【学習到達目標】
①マクロ経済学の基礎的な用語の意味を正しく理解し、説明できる。
②GDPが長期的に、または短期的にどのように決定されるのか、そのメカニズムを理解する。
③学習した基本的なマクロ経済学モデルを用い、実際に直面している問題を考えることができるようになる。
【事前準備学習】
学期開始前:
ミクロ経済学入門で学んだ、需要曲線と供給曲線を使った分析方法についてよく復習しておくこと。
受講前:シラバスで授業範囲を確認してテキストの該当部分を読み、自分なりの理解を得ておくこと。
ポータルサイト(教材リンク)を参照し、講義開始前までに動画を閲覧しておくこと。
受講後:その回の内容を自分で整理・復習した上で、対応する範囲の自学自習に取り組むこと。
日本経済・国際経済に関する記事やニュースを読む・見るなどして、授業で学んだ概念・用語(GDPや消費者物価指数など)との関連を探ること。