【講義概要】
手形や小切手は電子決済等の発達により、その実務的効用が薄れつつあります。電子決済は大企業に手形や小切手を利用するインセンティブを失わせ、紙のやりとりとなる手形・小切手はその役目を終えようとしています。手形・小切手のトラブルに関する類型は判例法理や学説で出尽くし感があるものの、これらの制度を学ぶことは、手形法・小切手法のみならず、民法の債権法等の基礎や法的な考え方を学ぶことが可能です。判例および学説も十分に確立した科目でもあり、ディプロマ―ポリシーにおける「法律学における基礎的知識の体系的理解およびその応用力」を身につけることに役立ちます。こういった伝統的な決済を学ぶことに加え、電子決済、暗号資産等の今日的な決済の形態を学びます。カリキュラムポリシー上は、商事法科目に該当し、その他、総則・商行為法、金融商品取引法、会社法とあわせて履修すると商事法全般の理解が進みます。
【学習到達目標】
①手形法・小切手法の学習を通じて、有価証券法理を理解する。
②手形・小切手の決済機能の学習を通じて、近時のデビッド等の電子決済を発展的に理解する。
【履修上の注意】
教科書、参考書等と講義資料をあわせて理解できるように講義を進めるので、出席するようにしましょう。
【事前準備学習】
指定された教科書は最低限の知識となるため、参考書・指定図書も事前事後に参照するようにしてください。授業終了後、必ずCCSで小テストを実施してください(毎回5問)。小テストの結果が科目評価の対象となります。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『商事法講義3(支払決済法)』 松嶋隆弘=大久保拓也編 中央経済社 2020 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | 『一覧』 |
【評価方法】
小テスト75%(全75問)、定期テスト(「学びの振り返り*」論述)25%
*手形法・小切手法を学ぶ上で、最初に「何」を目標に取組んだか(計画)、15回の授業で「何」を学んだか(結果)、それをこれから「どう」自分に役立てるか(実践)を論述する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 1: ガイダンス:支払決済の意義 | |
2 | 2: 有価証券 | |
3 | 3: 手形・小切手の法的構造と経済的意義 | |
4 | 4: 約束手形:①基本的仕組み・記載事項 | |
5 | 5: 約束手形:②振出 | |
6 | 6: 約束手形:③振出 | |
7 | 7: 約束手形:④権利の移転 | |
8 | 8: 約束手形:⑤権利の請求・抗弁 | |
9 | 9: 約束手形:⑥支払確保の制度・様々な手形 | |
10 | 10: 約束手形:⑦喪失・時効 | |
11 | 11: 為替手形・小切手 | |
12 | 12: 電子決済制度 | |
13 | 13: 資金移動・前払式支払手段 | |
14 | 14: 暗号資産:①資金決済法 | |
15 | 15: 暗号資産:②金融商品取引法 | |
16 | 16: 定期試験期間 | |