【講義概要】
本講義では、国際ビジネスに関する様々な法律を概観的に学ぶ「総則」の位置づけです。日本の企業は、国際間の取り決めや商習慣によって契約、売買、資金決済のプロセスを経て、そのビジネスをグローバルに展開しています。しかし、その国際取引は必ずしも常に成功するものではなく、資金決済の事故や製造物責任等の国家間をまたぐ紛争に巻き込まれることもあります。ディプロマポリシーのうち「実社会で生起する様々な法的課題を正確に理解し、解決策を考える能力」を、国際取引における契約・取引のプロセスと国家間の企業の紛争解決、国際ファイナンスを系統立てて、教科書に沿って学んでいきます。カリキュラムポリシーにおいては、国際関係法科目に該当し、その他、国際私法等とあわせて履修するとより理解が深まります。
【学習到達目標】
国際取引法に興味を持ち、次の3点を理解し、新聞やテレビの報道に触れても、国際商事の事件や事案を簡単に説明できるようになり、国際私法や国際企業法務へ学習を発展させていく。
①売買、支払い、運送を中心に国際ビジネスの基礎がわかるようになる。
②国際取引における紛争の解決方法を理解する。
③ローンやデリバティブ等のファイナンスの概観を理解する。
【履修上の注意】
選択科目の国際私法の履修後、または履修しながら本講義を学習すると相互に理解が深まります。
【事前準備学習】
指定された教科書は最低限の知識となるため、参考書も事前事後に参照するようにしてください。授業終了後、必ずCCSで小テストを実施してください(毎回5問)。小テストの結果が科目評価の対象となります。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『国際取引法講義(第2版)』 久保田隆 中央経済社 2018 教科書の内容に不足する部分は講義資料で補います。 |
参考書 | 『国際私法』 木棚照一編 成文堂 2016 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
小テスト75%(全75問)、定期テスト(「学びの振り返り*」論述)25%
*国際取引法を学ぶ上で、最初に「何」を目標に取組んだか(計画)、15回の授業で「何」を学んだか(結果)、それをこれから「どう」自分に役立てるか(実践)を論述する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 1: ガイダンス:国際取引法の仕組み | |
2 | 2: 国際取引の法的枠組み | |
3 | 3: 契約の成立過程 | |
4 | 4: インコタームズ | |
5 | 5: 英文契約書 | |
6 | 6: ウィーン売買条約①適用範囲・総則 | |
7 | 7: ウィーン売買条約②契約の成立、売主・買主の権利 | |
8 | 8: 国際運送の仕組み | |
9 | 9: 国際運送に関する法律 | |
10 | 10: 海上保険・貿易保険 | |
11 | 11: 国際支払 | |
12 | 12: 紛争解決 | |
13 | 13: 国際ローン契約の仕組み | |
14 | 14: 金融危機のメカニズム① | |
15 | 15: 金融危機のメカニズム② | |
16 | 16: 定期試験期間 | |