【講義概要】
新聞・TV・スマートフォンを通して、「Xが殺人を犯した疑いで逮捕された」とか、「Yが強盗の罪で起訴された」など、犯罪に関する報道を目にすることがあるでしょう。ドラマ・映画や小説・漫画などでも、刑事事件をテーマにしたものが多くみられます。
それでは、実際に犯罪が起きた場合、どのような流れで事件が処理されていくのか分かりますか?
犯罪が起きると、その事実を解明し、犯人に対して適切な刑罰を科すことが求められます。その一連の手続に関するルールを定めたものが「刑事訴訟法」です。
本講義では、刑事手続の流れを順に説明し、特に公訴・公判段階で生じる重要な問題について、検討します。過去に起こった犯罪に関して、どのような証拠に基づいて有罪・無罪を判断すればよいのか、一緒に考えていきましょう。
なお、本講義は、法学部のディプロマポリシー「思考力・判断力・表現力」のうち、特に「法的思考力・法的判断力」および「実社会で生起する様々な法的課題を正確に理解し、解決策を考える能力」を身につけることを目的としています。また、カリキュラムポリシーにおける「専門科目」のうち、「刑事法科目」に位置づけられます。
【学習到達目標】
刑事手続の流れを正確に把握し、公訴・公判手続における基本的なルールを身につけることが目標です。
その上で、公訴・公判段階で生じる様々な問題について、自分自身で解決に向けて考える力を身につけてほしい。
【履修上の注意】
「刑事訴訟法1」(春学期)を併せて履修することをお勧めします。
【事前準備学習】
新聞やニュースを見て、日々発生する刑事事件に関心を持ち、予備知識としてください。
指定図書および教科書には、具体的なケース・解説が付されているので、予習・復習の際は、当事者になったつもりで考えてみてほしい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『アクティブ刑事訴訟法』 愛知正博 法律文化社 2022 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | 『一覧』 |
【評価方法】
①中間試験 〔30%〕
②学期末試験 〔70%〕
※試験に関しては、授業内での解説もしくは講評文書の配布を行います。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション | |
2 | 捜査手続(刑事訴訟法1)のまとめ | |
3 | 犯人の処罰を求める(1) 公訴提起の処分 | |
4 | 犯人の処罰を求める(2) 起訴状 | |
5 | 有罪・無罪の審理(1) 概観 | |
6 | 有罪・無罪の審理(2) 裁判員制度 | |
7 | 有罪・無罪の審理(3) 審判対象 | |
8 | 証拠による事実認定 | |
9 | 違法収集証拠排除法則(1)概観 | |
10 | 違法収集証拠排除法則(2)裁判例を中心に | |
11 | 自白法則(1)概観 | |
12 | 自白法則(2)裁判例を中心に | |
13 | 伝聞法則 | |
14 | 裁判・上訴・救済手続 | |
15 | これからの刑事裁判のあり方 | |
16 | 定期試験期間 | |