【講義概要】
広い意味の「刑法」または「刑事法」という領域には、①狭い意味の刑法と、②刑事訴訟法のほか、③刑事施設や犯罪者収容に関する法律、少年法などが含まれます。①の刑法が、そもそも「犯罪」や「刑罰」とは何かを考えるのに対して、②の刑事訴訟法は、捜査や裁判等の手続上のルールを定めています。さらに、③犯罪の原因や再発防止策(刑事収容処遇法など)を研究する分野が、刑事政策ないし刑事学です。
この授業では、各種のニュースや新聞報道になった具体的事件にも触れながら、順次、①の刑法の主要テーマを取り上げることで、受講した学生諸君が、犯罪と刑罰をめぐる社会事象に関心をもち、法律的な観点から考える習慣を身に付けたいと考えています。また、秋学期から受講する「刑法総論1」と、2年生の春学期に受講する「刑法総論2」を聞く準備にもなります。
【学習到達目標】
まず、犯罪と刑罰をめぐる社会事象に関心をもつことが必要条件です。授業では、現在の法システムで解決できない問題についても考えます。その際、刑法の基本原則を説明しながら、今後の法政策を考える基礎知識を身に付けましょう。
なお、この授業は、法学部のディプロマポリシーの中にある「法的知識の獲得」と「多面的な調査・分析能力」を身に付けることを重視しています。
【履修上の注意】
新型コロナウィルスの感染状況によっては、非対面のオンライン授業(Office365のTeamsとCCSを併用した遠隔授業)になることがあります。なお、オンライン授業に参加する際には、授業名を記載したTeamsのタイルをクリックして、事前にお知らせしたチームコードを入力する必要があります。
また、「Teamsの招待コード」については、いつオンライン授業にするかが明らかになった時点で、CCSの掲示板を通じて、お知らせ致します。
【事前準備学習】
事前学習として、毎回の授業に先立って、次回の予告テーマについて資料室などで調べておいて下さい。また、授業中に聞き取った内容をノートにまとめることで、事後の学習に役立てるようにお願いします。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『はじめての刑法学』 佐久間修編 三省堂 2020 そのほか、授業中に参照すべき文献については、追って指示します。 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
主として学期末の筆記試験で評価します(90%)。ただし、授業中に提出させたレポートなども含めて総合的に決定します(10%)。なお、筆記試験の結果に関するフィードバックとして、全部の答案を採点した後、模範解答と採点講評をCCSで公開するようにします。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 刑法(刑事法)とは何かー罪と罰の法 | |
2 | 新しい犯罪現象と刑法 | |
3 | 犯罪成立要件とは何か(構成要件・違法・責任) | |
4 | 実行行為と因果関係 | |
5 | 正当防衛と緊急避難 | |
6 | 故意と錯誤 | |
7 | リスク社会と過失犯 | |
8 | 責任無能力制度 | |
9 | 未遂犯と実行の着手 | |
10 | 共犯のいろいろ | |
11 | 殺人罪と安楽死・尊厳死 | |
12 | 暴行・傷害罪と逮捕・監禁罪 | |
13 | 窃盗罪と強盗罪 | |
14 | 詐欺罪と恐喝罪 | |
15 | 放火罪と偽造罪 | |
16 | 定期試験期間 | |