【講義概要】
健康教育の目的は、疾病予防や健康の維持・増進のための知識を伝えるだけでなく、実際に健康行動が実施できる、すなわち「行動変容」を定着させることにある。さらに健康改善を目指す対象者が、豊かな人生を送っていくための支援をすることも重要な目的である。
本講義では、受講者がさまざまな対象者に対して健康教育を行なうにあたり必要とされる「健康のとらえ方」、「健康に対する価値観」、「ヘルスプロモーションのこれまでの動向と今後の展望」、「行動変容のサポート方法」、「健康教育の計画・評価方法」などについて学ぶ。なお、健康行動全般を扱うが、特に運動による健康改善を中心に扱うこととする。運動は健康づくりの三要素の一つに数えられるが、栄養や睡眠と異なり日常生活に必須でないため全ての国民が実践しているわけではない。運動が不必要と考える者に日常生活に運動を取り入れさせるにはどうすれば良いのか、他の生活習慣の改善法とともに考えたい。
新型コロナウィルス感染状況によっては、CCSを活用した基本型授業とTV会議システム(Teams)を併用して実施します。
この授業は、本学のディプロマ・ポリシーのうち以下の能力を養うことを主な目的としています。
【知識・技能】
・健康や体力の維持向上に対する運動の効果について理解し、その機序を説明することができる。
・スポーツ・健康に関する現代的課題を理解し、その概要を説明することができる。
【思考力・判断力・表現力】
・社会におけるスポーツや健康に関する課題の実態を把握し、その関連要因、解決方法あるいは改善策を提示することができる。
【主体性・多様性・協働性】
・スポーツや健康に関する情報を積極的かつ広範に求める態度を身につけている。
【学習到達目標】
1.健康づくりに関する基本的な知識を習得し、説明することができるようになる
2.社会における健康課題の実態を把握し、解決策や改善策を提示することができるようになる
3.健康課題の解決に対して常に積極的に周囲と協力して取り組むことができるようになる
4.行動変容を理解し、取り組むことができるようになる
【履修上の注意】
・授業への出席は大前提である。
・授業開始時刻に出席カードを配布するので、その時までに着席しておくこと。
・講義では板書を多用するので、ノート等必用な物を各自用意すること。
・授業中の携帯電話・スマートフォン等の通信機能を有する電子機器の使用は、指示した場合を除いて厳禁とする。
【事前準備学習】
現代社会における健康問題に関心を持つこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『健康教育―ヘルスプロモーションの展開』 日本健康教育学会 編 保健同人社 2003 『健康教育ナビゲーター―知っておきたいキーワード210』 渡辺正樹 大修館書店 2002 必要に応じて資料を配布する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・全授業数の80%以上出席した者を評価対象とする
(ここで言う出席とは、授業開始時に出席カードを回収できたことを指す。遅れて授業に参加した場合や授業を休んだ場合はこれにあたらない)
・電車の遅延、教育実習や就職活動、コロナやインフルエンザで欠席した場合は、そのことを考慮して成績を付けることがある。その事象が発生した翌週あるいはできるだけ早い時期に必ず証明書を添えて欠席届を提出すること
・第1回目の授業も評価対象になるので、欠席しないこと
・授業内の小テスト(40%)、定期試験(60%)により総合的に評価する
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 健康科学の今日的意義、健康概念の定義 | |
2 | 健康教育の定義とそのターゲット | |
3 | 健康要因 | |
4 | 行動変容の理論 | |
5 | 行動変容の理論の実践 | |
6 | 行動変容モデルの開発 | |
7 | 健康づくり施策(概念と歴史) | |
8 | 健康日本21(第2次)における社会整備 | |
9 | 健康づくり活動の実態 | |
10 | 健康なライフスタイルの形成1(喫煙・飲酒) | |
11 | 健康なライフスタイルの形成2(食生活,休養・心の健康) | |
12 | 健康なライフスタイルの形成3(運動・身体活動1) | |
13 | 健康なライフスタイルの形成4(運動・身体活動2,感染症) | |
14 | 生活習慣病(循環器疾患、代謝疾患、呼吸器疾患、整形外科疾患) | |
15 | 健康運動教育の計画・立案・実施 | |
16 | 定期試験期間 | |