【講義概要】
本講義では物権法の習得を前提条件として、民法の物権編後半部である、担保物権を主として学ぶ。債権者平等原則による債権の履行の困難と担保の必要性を考える。その後物的担保の必要性と担保物権の通有性を理解する。さらに民法の物権編に規定された担保物権の検討に入る。留置権・抵当権・質権・先取特権の順で学習する。特に抵当権は重要である。譲渡担保、所有権留保にも理解を広げる。最後に人的担保である保証の問題についても保証・連帯保証・根保証まで言及し、担保に関する総合的理解を図る。
本講義はカリキュラムポリシーの中に掲げる専門科目の中の民事法科目に該当し、デイプロマポリシーの中の法律学における基礎的知識の体系的理解とその応用力を錬成するものである。
【学習到達目標】
担保の意義を理解し、特に抵当権の構造を理解することを第一の目標とする。抵当権の実行手続、抵当物件取得者との権利関係の調整、占有者との関係など民法の中でも担保法は多数の関係者が絡む複雑な面が多い。順を追って段階を飛ばすことなく学んでいくことを目指す。
【履修上の注意】
復習が特に重要である。教科書を繰り返し読み込むことをして知識の定着を図る努力を望む。重要な条文も必ず参照すること。出席が大事であるのは言うまでもない。
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【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『日評ベーシックシリーズ担保物権法』 田高寛貴 日本評論社 2019年 引き続き物権法と同じ教科書を使用します。また、必要な場合資料を配付します。
日評ベーシックシリーズ担保物権法も使用します。 |
参考書 | 『「別冊ジュリスト民法判例百選Ⅰ総則・物権(第8版)」』 有斐閣 2018年 六法全書 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
期末試験による評価と受講態度の総合評価による。
小テストを実施するのでその得点も加味する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 担保の必要性 債権者平等の原則 | |
2 | 物的担保と人的担保、担保物権の共通性質 | |
3 | 留置権 | |
4 | 先取特権 | |
5 | 抵当権の意味と成立要件 抵当権の及ぶ範囲 | |
6 | 抵当権の実行手続 賃貸借、妨害排除請求 | |
7 | 法定地上権、抵当権消滅請求 | |
8 | 根抵当権 | |
9 | 質権1 | |
10 | 質権2 | |
11 | 譲渡担保、所有権留保 | |
12 | 人的担保と保証 | |
13 | 各種の保証形態 | |
14 | 新しい担保形態 | |
15 | 総復習 | |
16 | 定期試験期間 | |