【講義概要】
オペレーションズリサーチ(Operations Research OR)は「筋のとおった方法」を用いて問題を解決するための「問題解決学」と解釈される。ここで、問題とは「何か困っている」ことを指す。ORは問題の分野を選ばないという横糸的性格を持っているため、大手企業でも中小企業でも、商店でも農家でも、金融でも行政でも、生産工場でもサービス業でも、様々な分野でOR手法による問題解決を行なっている。よって、多種多様な仕事現場に現れる様々な問題を上手くて効率よく解決するためにはORの知識を習得する必要がある。とりわけ、企業経営、プロジェクト企画管理など様々な実務現場では科学的な手法が求められている現代社会において、「ORできる」人材が強く求められている。
本講義では、よく知られている有効なOR手法を幾つか選んで論ずる。具体的にいうと実社会によく現れている典型的な経営問題を解決するためのOR手法(例えば、線形計画法、動的計画法(最適性原理)、日程管理計画法、意思決定理論など)を解説し、Excelを用いた実践的なOR手法を学ぶ。
これらのOR手法を理解するには数学知識が要求されるため、文系の学生に難しいと言われている。これを解消するために本講義では、具体的な問題例を提示し、OR手法を用いた「問題解決」演習を行う。これによりOR手法の意味、正当性、有効性などへの理解を深める。また、表計算ソフトExcelでOR手法を実現するためのアプリケーションソフト(Excel VBA)を配布し、そのソフトを用いた問題解決方法を学ぶ。
本講義では、受講生の理解度などに応じて講義の進行速度と内容の調整(増減、順序入れ替え)を可能とする。
【学習到達目標】
◇OR手法とは何か。いまや,ビジネスなどの実務現場でOR手法を使いたいのは何故か。等々への理解
◆実社会問題を解決するためのOR手法の修得
◇MS-ExcelによるOR手法の実現方法の修得
◆パソコンを使った実社会問題の解決能力を身につける
【履修上の注意】
◇ファイルを保存するためにUSBメモリを持参して受講すること
◆Windows、Excelなどがある程度使いこなせるスキルが要求されるため、このスキルを有していない学生が各自でそれを補習すること。
◇欠席した講義の内容を各自で補習して次の授業に臨むこと
【事前準備学習】
◇予告した授業内容を教科書で予習すること
◆授業で完成できなかった課題を次回の授業までに望むこと
◇授業中,理解できていなかった部分を教科書や配布資料を読んで理解すること
◆講義資料の学習のみでは物足りないと感じだ場合、インターネットなどを調べて補うこと
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『経営情報処理の実践』 梶田ほか 同文舘出版 2012,4 『オペレーションズ・リサーチ-システムマネジメントの科学-』 貝原俊也 オーム社 2004,12 『オペレーションズ・リサーチ』 木下栄蔵 工学図書 1995,6 『問題解決のためのオペレーションズ・リサーチ入門』 高井栄造、真鍋龍太郎 日本評論社 2000,4 その他、OR分野に関する書籍が数多く出版されている。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス+ORとは? | |
2 | 線形計画法Ⅰ(LP概論) | |
3 | 線形計画法Ⅱ(LP応用例の紹介) | |
4 | 線形計画法Ⅲ(Excelソルバーを用いたLPによる実社会問題解決演習) | |
5 | 線形計画法Ⅳ(理解度確認小テスト) | |
6 | 動的計画法(DP、最適性原理) | |
7 | 数理計画法とは(理解度確認小テストも含む) | |
8 | 日程管理計画法:PERT概論 | |
9 | 日程管理計画法:PERT応用例の紹介 | |
10 | 日程管理計画法:PERTによる実社会問題解決演習 | |
11 | 日程管理計画法に関する総括(理解度確認小テストも含む) | |
12 | 意思決定法:AHP概論 | |
13 | 意思決定法:AHP応用例の紹介 | |
14 | 意思決定法:AHPによる実社会問題解決演習 | |
15 | 講義総括(理解度確認小テストも含む) | |
16 | 定期試験期間 | |