名古屋学院大学シラバス


                シラバス

演習指導概要 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
5限専門演習1通年名古屋 43坂東 洋行LG3101
5限専門演習1通年名古屋 43坂東 洋行LG3101

【授業情報】

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主題

「資本市場と法」をテーマに企業買収をめぐる会社とファンド等の支配株主間の攻防を裁判例で学びます。 出光興産事件の事案等に見られるとおり、新株発行への差止め申請など、企業買収・防衛をめぐる支配権争奪の裁判例が数多く存在しています。ヘッジファンド等の敵対的買収者に株を買い占められ、経営者の支配権が脅かされると、経営者は自分の地位を守るために、新たに株を発行して敵対的買収者の持株比率を引き下げようとします。会社の経営者となる取締役は自己の利益のために行動してはならず、また、自分を取締役に選んでくれる株主を自分で決めて株を渡すこともできません。これらは会社法が定めるルールです。ルールといえば簡単ですが、会社の支配権争奪の攻防のやり方も様々で、何か機械的に違法かそうでないかが決まるわけではなく、結局判断するのが裁判所です。これまでの代表的な裁判例を研究し、企業買収をめぐる裁判所の判断を体系的に学び、これからも毎年のように起こる同じような事件を理解し、しっかり説明できるようになることが目標です。裁判例にも決して正解があるわけでなく、自分の説明が間違っていても全く恥ずかしいことではありません。



指導方針概要

 半期15回のうち、必ず一人1回は判例報告をしてもらい、それをきっかけとして皆さんで一緒に考える運営とします。各回、報告者と質問者二人のチーム分けによって、それぞれが自分の立場で質問や主張をしてもらい、場合によっては教員が入り、進めて行きます。もちろん、最後のまとめとポイントの整理は、教員がするので、心配なく。
 ゼミの初回は、オリエンテーション、自己紹介、とりあげる判例の説明と報告担当の割当、各チーム分けを実施します。とりあげる判例は、ニッポン放送事件、ブルドッグソース事件、クオンツ事件、デジタルデザイン事件、出光興産事件等、その後の裁判例に影響を与えた有名なものばかりです。
 なお、会社法は2年以降の選択科目となるため、判例と基礎を確実に理解していけるように会社法の基本学習も実施していきます。会社法授業と同じテキストを使って進めるので、追加的な書籍の購入は不要です。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
テキストゼミで使う判例は授業前に配布しますが、以下の判例解説集を参考にしましょう。最新の判例で判例解説がないものも、ゼミで配布します。 ◇「会社法判例百選(第3版)」岩原・神作・藤田編(有斐閣、2016年) ◇「M&A判例の分析と展開」野村・中東編(経済法令研究会、2007年) ◇「M&A判例の分析と展開II」中東・大杉・石綿編(経済法令研究会、2010年)
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

学生に対する希望事項

 ゼミでの報告が大事になるので、担当の回は必ず出席して報告してください。報告者が不在になると、ゼミが成り立ちません。報告者は、報告資料をA4で5ページ程度にまとめて当日に配布してください。まとめ方はオリエンテーションで説明します。
 また、各出席者もゼミにしっかり参加して発言するように心がけてください。ゼミはもちろんのこと、ゼミ合宿等ゼミ関連イベントにも必ず出席するようにしてください。判例報告や各出席者の意見や質問は、必ずしも法律知識を問うものではありません。これから社会人になる皆さんが、自分の言葉で難しいこと、わかりにくいことをどう表現していくのかが大事です。教員として最大限サポートしていくので、一緒に考えて行きましょう。
 例年、東京合宿を行います。東京証券取引所や金融機関を訪問します。
※感染症の状況や課外活動の大学の取り扱いに従います。