【主題】
「民法の知識及び法的思考力の習得、法的課題の発見能力の習得」
民法の基本的知識の定着を目指すとともに、法的課題に対する法的な思考力の習得、及び社会における法的問題を発見する能力の取得を目指します。
【指導方針概要】
当ゼミでは、社会に出た後に有用となる法的スキルの習得を目指します。
法律学に限らず、大学で学んだことを社会で十二分に活かすのはなかなか難しいものがありますが、活かしうる場面の1つとして「法的紛争の回避」が挙げられます。すなわち、十分な知識を以て身の回りの出来事を法的に分析することが出来れば、紛争を事前に回避したり、自身に有利に進めることも可能になる場合も多くなります。
本ゼミではこれらのスキルを身につけることを目標とし、そのために3つの事を行います。
第一に、基礎的な法的知識の習得です。そもそも、法的な知識が無ければ自身が現在置かれている状況の把握も、その状況の先の予想もできません。日本の民法にはどのような法制度があるのか、それらの適用要件や効果はどのようになっているのかという知識の習得が重要です。
知識の習得にあたっては公務員試験や行政書士試験などの各種試験の過去問(択一式)を用いた答練を行います。具体的には、ゼミの初めに小テストを実施し、その後解答の確認・分析・解説を問答形式で行います。
第二に、重要となるのが法的思考力です。上記の方法で習得した法的知識は断片的なものなりがちで、実際の事例や事件においてどのように用いるのか考える際に行き詰まることがあります。そこで、法的思考力を磨くことで、単なる法的知識具体的な事件に用いることが出来るように昇華出来るようにします。
法的思考力の習得は、事例問題の演習を通して習得を図ります。具体的な実施方法は、事前にこちらから事例問題を渡し、それに対する自身の解答を報告してもらう形で行います(報告は数人でグループを組んで行ってもらいます)。
第三に、問題発見能力と解決能力です。社会における法的紛争というのは、私たちが大学で学んだようなものばかりとは限りません。全く新しい問題もあり、それらは自身で発見し、自身で解を出さなければなりません。
問題発見能力と解決能力はいわゆる「テーマ研究」を通して習得を図ります。テーマは希望があれば希望をもとに決め(ただし民法の領域に限ります)、特に希望が無ければ家族法領域に絞ってテーマ研究を行います。
以上の3点について3・4年生を通して以下のスケジュールで実施します。
①3年生前学期
基礎的な法的知識の習得(択一式の演習)を中心に実施します
②3年生後学期
テーマ研究をを中心に実施します
③4年生前学期
基礎的な法的知識の習得及び法的思考力(事例式演習)を中心に行います
④4年生後学期
3年生後学期に実施していたテーマ研究の続きを行います
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
テキスト | 特に指定はしません。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【学生に対する希望事項】
普段の生活において、あるいはニュースなど聞いて「法律的にはどうなっているのだろう」という疑問をお持ちの方、また、今後の進路において民法の試験科目がある方(公務員や宅地建物取引士、行政書士など)には向いていると思います。
なお、評価は、単にゼミに出席するだけではなく、ゼミへの参加度(報告やゼミ中での発言など)を踏まえて行います。