【講義概要】
後期は、「民法総則2(発展・応用編)」として、発展的知識と応用的分析力・判断力をつけてもらう講義を行ないます。民法初学者のハードルは、明らかに三者間関係の理解です。契約当事者である二者間の「善」対「悪」の関係を理解することはそう難しくはなかったでしょう。三者間関係における一人が「悪」である場合の、残り二者の「善」対「善」の争いをどう決着させるかという問題に、しっかりと挑んでもらいます。答がわかるだけでなく、その根拠となるルールを指摘でき、さらにその制度趣旨も説明できる力をつけてもらえるよう、講義を行ないます。
「民法」の「第一編 総則」の各章の内容のうち、前期では深く検討はしていなかった条文・具体的問題について、判例も参照していきます。また、二年生以降で履修する「物権」「債権」を扱う民法科目、民法以外の民事法科目への具体的なつながりを意識しつつ、講義を進めます。
前期につづき、教員執筆のテキスト、条文集を傍らに、予習・復習もこなしつつ、毎回の授業についてきてください。知識が蓄積され、分析力と思考力が備わってくるので、テキストで扱う司法試験の問題も、より多くのものが解けるようになってくるはずです。
【学習到達目標】
毎回の講義テーマで示す民法総則における制度について、三者間関係を含め、条文をベースとした発展的知識が定着している(法的知識の獲得)。応用的なケースについて、どのような点が争点となり、どの制度・条文が適用されるかを考察して、指摘できるようになる(多面的な調査・分析能力)。それらのことを、自分のことばでより長い記述および一定時間で口頭説明できるようになる(コミュニケーション能力)。
【履修上の注意】
授業への積極的参加が鍵となるが、単位取得に向けては、毎回の復習を欠かすことはできない。教科書2冊は毎回持参し、マーカー・書込みなどの作業も惜しまずに行ない、「勉強」をしていくように。
【事前準備学習】
事前学習として、講義テーマにしたがった教科書予習。事後学習として、授業の要点を教科書で確認して適宜問題演習に取組んで復習を行なう。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『司法試験から学ぶ民法総則』 大久保紀彦 三恵社 2022 『大学生のための民法条文(第2版)』 大久保紀彦 三恵社 2022 |
参考書 | 『デイリー法学用語辞典(第2版)』 三省堂編修所 三省堂 2022 参考書「デイリー法学用語辞典(第2版)」は、4年間を通じてすべての法律科目に共通して用いることができる。さまざまな辞典が発刊されているが、基本入門的・ハンディなもののひとつとして推奨する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
積極的授業参加と授業への貢献 20点
提出課題 30点
定期試験(試験またはレポート) 50点
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 人:未成年,制限行為能力者制度1 | |
2 | 人:制限行為能力者制度2、失踪宣告、同時死亡推定 | |
3 | 虚偽表示(応用) | |
4 | 詐欺・強迫・錯誤(応用) | |
5 | 動産転売における無効・取消しの対抗力 | |
6 | 表見代理1: | |
7 | 表見代理2: | |
8 | 無効・取消し | |
9 | 法人1:対外責任 | |
10 | 法人2:対内関係 | |
11 | 取得時効 | |
12 | 消滅時効 | |
13 | 時効総合 | |
14 | 通則・一般条項 | |
15 | 民法総則総まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |