【講義概要】
1年次で基本的な法知識を習得した2年生が、民法の発展的知識と分析能力・発表能力を身につけていくための演習形式の授業です。
民法総則の発展的学修として、三者間関係の分析を進めます。契約当事者である二者間の「善」対「悪」の関係を理解することはそう難しくはないですが、三者間関係における一人が「悪」である場合の、残り二者となる「善」対「善」の争いには悩むでしょう。そのようなケースを、民法ではどう決着させるかという問題に、二年生から学ぶ物権法・債権法との関連を含めて挑んでいきます。
「民法」の「第一編 総則」の各章の内容につき、上記にかかわる条文・具体的問題について、また通常の授業では扱う時間がない詳細論点について、司法試験問題を材料として、全員で分析検討します。
また、就職に向けた力をつけていくために、新聞の読込み、関連時事問題の発表、グループディスカッションにも取組んでいってもらいます。講義計画で示しているうち、進捗をみつつ、数回を新聞発表や、裁判・議会傍聴などに充てます。
【学習到達目標】
毎回の講義テーマで示す制度について、条文をベースとした発展的知識が定着している(法的知識の獲得)。応用的なケースについて、どのような点が争点となり、どの制度・条文が適用されるかを考察して、指摘できるようになる(多面的な調査・分析能力)。それらのことを、自分のことばでより長い記述および一定時間で口頭説明できるようになる(コミュニケーション能力)。社会人として必要であり、就活においてもアピールできる「チームワーク力」を身につける。
【履修上の注意】
授業ではグループでの活動を行なうため、各メンバーは責任感をもって取組むことが必要となる。また全員に交代でゼミ役員を引き受けてもらう。3年生以降の専門演習に向けての準備と心得て積極的に務めるようにしていただきたい。この授業は、非対面授業週の講義を、TV 会議システム(Teams 等)等によるライブ講義とCCSを活用した課題提出を併用して実施します。【月4大久保】専門基礎演習1(Teams招待コード vqkfep7 ) 講義進捗に応じて、Teamsその他のシステムを利用することがあります。
【事前準備学習】
事前学習として、講義テーマにしたがった教科書予習。事後学習として、授業の要点を教科書で確認して適宜問題演習に取組んで復習を行ない、適宜課題提出を行なう。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『司法試験から学ぶ民法総則』 大久保紀彦 三恵社 2022 『大学生のための民法条文(第2版)』 大久保紀彦 三恵社 2002 |
参考書 | 『デイリー法学用語辞典(第2版)』 三省堂編修所 三省堂 2022 参考書「デイリー法学用語辞典(第2版)」は、4年間を通じてすべての法律科目に共通して用いることができる。さまざまな辞典が発刊されているが、基本入門的・ハンディなもののひとつとして推奨する。
|
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
積極的授業参加と授業への貢献 30点 提出課題 40点 チームワーク・役割の責任感を持った遂行 30点
さらに、各ゼミ生の努力と取組み姿勢を加点要素として総合的に評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 人:未成年,制限行為能力者制度1 | |
2 | 人:制限行為能力者制度2、失踪宣告、同時死亡推定 | |
3 | 虚偽表示(応用) | |
4 | 詐欺・強迫・錯誤(応用) | |
5 | 動産転売における無効・取消しの対抗力 | |
6 | 表見代理1: | |
7 | 表見代理2: | |
8 | 無効・取消し | |
9 | 法人1:対外責任 | |
10 | 法人2:対内関係 | |
11 | 取得時効 | |
12 | 消滅時効 | |
13 | 時効総合 | |
14 | 通則・一般条項 | |
15 | 民法総則総まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |