【講義概要】
社会保障は、まさに「揺りかごから墓場まで」といわれるように生活のさまざまな局面に関わっており、現代の経済社会において不可欠なものになっている。それゆえ誰もが社会保障についてしっかりとした知識を身につける必要がるといってよい。にもかかわらず、社会保障ほど世間に誤解されている分野はないと言っても過言ではない。マスコミや政治家、有識者とされる人々が語る社会保障論議には、しばしば誤った情報や知識に基いていることが目立つ。それはなぜかというと、社会保障をしっかりと理解するためには、表面的な制度の仕組のみならず、制度の成り立ちとそれまでの歴史的過程、存在理由、基礎にある理念、各種制度間の関係と位置づけ等、その制度が成立している理論的・原理的な背景から理解することが不可欠だからである。
目下我が国では、急速な少子高齢化の進展の中で、社会保障改革が喫緊の課題となっているが、われわれはより深く正確な理解のもとにその方向性を考えていかなければならない。社会保障について知らなければ、知らないばかりに損をする個人はもちろん、社会全体にも大きなマイナスを生じる可能性があるのである。
したがって、本講義では、現在の我が国における医療保障、介護保障、所得保障、社会福祉などの社会保障制度の仕組について見るだけでなく、社会保障の理念、理論、歴史、そして国際的な状況にも関心を広げて、より広い視点から社会保障制度を知り、理解することを目指す。
【学習到達目標】
我が国の社会保障制度の現状と課題を具体的に説明できる。
なぜ社会保障制度が必要なのか説明できる。
【履修上の注意】
この授業は、非対面授業週の講義をCCSを活用した基本型授業とTV会議システム(Teams等)を併用して実施します。
チームコード:eyrwl0f
講義中の私語は厳禁です。また、対面授業における途中退出厳禁。お互いに尊重しあいながら受講環境を整えるよう意識してください。
対面授業の際には、感染症対策も踏まえて、座席を指定する予定です。
【事前準備学習】
社会保障については新聞やマスコミ等でしばしば取り上げられています。そうした情報にしっかりを目を通して問題意識を養ってください。
教科書の該当箇所についてよく読み込み、予習復習をすること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『現代の社会保障』 足立正樹編著 高菅出版 2020 教科書を参照するので、必ず入手するように。 |
参考書 | 『第18版はじめての社会保障』 椋野美智子・田中耕太郎 有斐閣 2021 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点30%(自学自習含む) 期末試験70%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション:社会保障とは | |
2 | 社会保障の概念と制度 | |
3 | 社会保障の必要性 | |
4 | 体系と二定型 | |
5 | 社会保険の成立から社会保障へ | |
6 | 福祉国家の展開 | |
7 | 日本の社会保障の展開 | |
8 | 医療保険制度の仕組 | |
9 | 医療提供体制のあり方と国民医療費 | |
10 | 介護保険制度の仕組 | |
11 | 所得保障および年金保険制度の仕組 | |
12 | 年金改革の報告制 | |
13 | 労働災害保険および雇用保険制度の仕組 | |
14 | 高齢社会と社会保障 | |
15 | 講義総括 | |
16 | 定期試験期間 | |