【講義概要】
手形や小切手は電子決済等の発達により、その実務的効用が薄れつつあります。電子決済は大企業に手形や小切手を利用するインセンティブを失わせる一方で、依然中小企業においては活発に利用されています。手形・小切手のトラブルに関する類型は判例法理や学説で出尽くし感があるものの、これらの制度を学ぶことは、手形法・小切手法のみならず、民法の債権法等の基礎や法的な考え方を学ぶことが可能です。判例および学説も十分に確立した科目でもあり、ディプロマ―ポリシーにおける「法律学における基礎的知識の体系的理解およびその応用力」を身につけることに役立ちます。こういった伝統的な決済を学ぶことに加え、有価証券の定義や電子決済、このところよく報道される仮想通貨についても概観を触れていきます。カリキュラムポリシー上は、商事法科目に該当し、その他、総則・商行為法、金融商品取引法、会社法とあわせて履修すると商事法全般の理解が進みます。
【学習到達目標】
①手形法・小切手法の学習を通じて、有価証券法理を理解する。
②手形・小切手の決済機能の学習を通じて、近時のデビッド等の電子決済を発展的に理解する。
【履修上の注意】
非対面式の授業ははCCSのリンク先からビデオ授業をダウンロードして視聴し、小テストを必ず実施してください。すべての回のビデオ授業のリンク先をアップするので、対面授業の分も復習として視聴すると効果的です。対面または非対面は教務課の案内を確認してください。
教科書、参考書等と講義資料をあわせて理解できるように講義を進めるので、出席するようにしましょう。
【事前準備学習】
指定された教科書は最低限の知識となるため、参考書も事前事後に参照するようにしてください。授業終了後、必ずCCSで小テストを実施してください(毎回5問)。小テストの結果が科目評価の対象となります。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『基本講義手形・小切手法(第2版)』 早川徹 新世社 2019 |
参考書 | 『手形小切手判例百選(第7版)』 神田秀樹編 有斐閣 2014 |
指定図書 | 『一覧』 |
【評価方法】
小テスト75%(全75問)、定期テスト(「学びの振り返り*」論述)25%
*手形法・小切手法を学ぶ上で、最初に「何」を目標に取組んだか(計画)、15回の授業で「何」を学んだか(結果)、それをこれから「どう」自分に役立てるか(実践)を論述する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 1: ガイダンス:手形・小切手の意義と経済的機能 | |
2 | 2: 有価証券 | |
3 | 3: 手形行為①手形行為の意義と成立要件 | |
4 | 4: 手形行為②手形行為の有効要件 | |
5 | 5: 手形行為③他人による手形行為と無権代理 | |
6 | 6: 約束手形①振出 | |
7 | 7: 約束手形②白地手形 | |
8 | 8: 約束手形③裏書 | |
9 | 9: 約束手形④善意取得者の保護 | |
10 | 10: 約束手形⑤特殊の裏書・手形の支払 | |
11 | 11: 約束手形⑥遡求・手形保証・手形訴訟 | |
12 | 12: 為替手形 | |
13 | 13: 小切手 | |
14 | 14: 電子決済 | |
15 | 15: 仮想通貨 | |
16 | 16: 定期試験期間 | |