【講義概要】
法学という学問領域は、憲法学、民法学、刑法学等の実定法学と、法哲学、法史学(法制史)、法社会学等の基礎法学の二つに大きく分けられる。実定法学が様々な紛争解決や行政・企業活動等の実践に資することを目的とする学問であるとすれば、基礎法学は、その紛争が発生する社会背景、法が生成・変化する過程(法過程)、法をめぐる人々の意識・行動(法意識・法行動)等の法と社会の関係性を理論的に分析する学問と言えるだろう。したがって、実定法学と基礎法学の関係性は医学における臨床医学(どのようにして患者を治療するか)と基礎医学(なぜその症状が生じたのか・生じているのか)になぞらえることができる。本講義では、まず学問としての法社会学の歴史的文脈を踏まえた上で、現代日本における法と社会のありようについて、法学における理論と実践の相互参照を重視しながら、関連する時事問題等を取り上げ解説する。
【学習到達目標】
本講義では、近代法の成立過程を概観することによって法社会学の歴史的展開を把握し、現代日本における様々な法に関わる紛争について、その社会背景を理解する力を身に付けることを到達目標とする。
【事前準備学習】
毎回の授業の際にレジュメや資料を配布し板書も行います。復習に関してはこれらを見直して整理しておくようにしてください。また予習に関しては特に必要ありませんが、余裕のある方は講義中に紹介する文献を各自で読むようにしてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書は指定しません。毎回配布するレジュメをファイル等にまとめて保管し、講義の際に持参してください。 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
成績評価の割合は、期末試験での論述試験またはレポートが7割でワークシートの内容が3割です。ワークシートに関してはCCSを通じて配布しますので、記入後にCCSから提出するようにしてください。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス | |
2 | 法社会学とは何か | |
3 | 近代法の成立と法社会学の誕生(1) 〜近世絶対主義の法と社会〜 | |
4 | 近代法の成立と法社会学の誕生(2) 〜市民社会の登場〜 | |
5 | 近代法の成立と法社会学の誕生(3) 〜法典論争〜 | |
6 | 近代法の成立と法社会学の誕生(4) 〜概念法学〜 | |
7 | 近代法の成立と法社会学の誕生(5) 〜自由法学〜 | |
8 | ドイツ民法典の編纂 | |
9 | エールリッヒの法社会学 | |
10 | 日本における法社会学(1) 〜日本概念法学の特徴〜 | |
11 | 日本における法社会学(2) 〜末弘と小作問題〜 | |
12 | 日本における法社会学(3) 〜中国農村慣行調査〜 | |
13 | 企業社会と法 | |
14 | 隣人訴訟 | |
15 | 社会現象としての法 | |
16 | 定期試験期間 | |