【講義概要】
本講義は、法学部における1年次での導入科目とは異なり、本格的に実定法である日本国憲法を構成する基本的人権と総論・統治機構のうち学説や判例において争いのある点、また、憲法典の中で特に重要な点を学ぶものである。この授業科目では、できるだけ判例を取り上げ、具体的事例を通じて論じることとする。
本講義は、カリキュラム・ポリシーに掲げる専門科目のうち公法科目(選択科目)として開講され、ディプロマ・ポリシーに掲げる憲法の重要論点についての基礎的知識の体系的に身につけ、実社会で生起する様々な憲法問題を正確に理解し、解決策を考える能力を得ることができる。
【学習到達目標】
日本国憲法の諸原理と統治機構の構造を体系的にとらえ、基本的人権を保障するために憲法がどのように国家作用を制御しているかを理解することを目標とする。
【履修上の注意】
授業において配布されるレジュメや資料を十分に読んで授業に参加し、十分に復習を行うことが望まれる。
法律科目の授業では、六法を持参することが必要である。できるだけ新しい六法が望ましい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『新・スタンダード憲法(第4版補訂版)』 畑尻剛ほか編著 尚学社 2016年 『憲法判例百選Ⅰ・Ⅱ(第7版)』 長谷部恭夫ほか編著 有斐閣 2019年 『大学が配布した六法(あるいは、その後購入した六法)』 六法は、とくに指定しないが、鎌田薫編代『デイリー六法 2020年 令和2年版』(三省堂、2019年)を使用します。
できるだけ新しいものが望ましい。 |
参考書 | とくに指定しない。 |
指定図書 | 『一覧』 |
【評価方法】
定期試験の結果70%、自学自習問題の得点と小テストの結果を算入する平常点30%
6回以上欠席すると、「失格」となり、定期試験の受験資格を失います。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 政教分離原則 憲法判例百選Ⅰ46、48、52 | |
2 | 表現の自由とプライバシー権の対立 憲法判例百選Ⅰ65、67 | |
3 | 営業の自由の制約 憲法判例百選Ⅰ96、97、100 | |
4 | 行政手続における適正手続保障 憲法判例百選Ⅱ112、115、122 | |
5 | 生存権と生活保護制度 憲法判例百選Ⅱ136、138 | |
6 | 教育内容の決定権 憲法判例百選Ⅱ140、141 | |
7 | 公務員の労働基本権 憲法判例百選Ⅱ136、137 | |
8 | 投票価値の平等 憲法判例百選Ⅱ153、154、155 | |
9 | 外国人の選挙権 憲法判例百選Ⅰ1、4 | |
10 | 9条と自衛隊 憲法判例百選Ⅱ171、169 | |
11 | 立法と委任 憲法判例百選Ⅱ212、213 | |
12 | 法律と条例 憲法判例百選Ⅰ88、Ⅱ208 | |
13 | 司法権の限界 憲法判例百選Ⅱ187、188、189 | |
14 | 租税法律主義 憲法判例百選Ⅱ202、203 | |
15 | 違憲審査権と違憲判決の効力 憲法判例百選Ⅱ133、201 | |
16 | 定期試験 (授業中に実施する小テストとクリスマスから正月明けにかけての自習問題の得点を平常点に算入) | |