【講義概要】
本講義は、法人税制度の基礎的な仕組みや考え方の理解を目的とする。そのためまず、税制度全体を概観し、そこから法人税の適用対象となる法人について学習するところから始める。講義内容は会計が税とどのように関連しているのかを中心として、講義を進める。したがって、会計学の基礎的な知識は要求される。とはいえ、本講義において財務会計領域の概説も必要な部分は適宜含めて進行する。また、税と会計のそれぞれの目的や機能の相違について理解できるよう、具体的な計算方法や理論的背景なども扱う。
DPにおいて知識・技能としては、実際のビジネスや企業経営が直面する諸問題(たとえば法人税と他の税とのバランスなど)の本質を理解し、修得した知識や技能を活用してそれらの諸問題に対する解決策(海外の法人税率との比較等)を探求する能力を身に付けることを目標としている。
また、産業や市場および企業の持続的成長が社会経済の健全な発展に大きく影響を与えることを認識し、そのために国家財源の確保に寄与する一方でそのために企業が負担する法人税が担う役割や現状における問題を見つけて解決していくために、必要な思考力・判断力を身に付け、論理的に説明できることを目標としている。
【学習到達目標】
法人税についての基礎を、会計との比較から理解し、現状の課題を国際的な情勢もふまえて捉えることである。また、国家の他の財源である消費税や所得税との関連の視点も入れた上で、将来的に法人税はどうあるべきか(たとえば増やすべき・減らすべき)についての持論を展開できるようになることである。
【履修上の注意】
・社会的な状況や諸般の事情により、必要に応じて授業実施方法について変更する場合があります。
・授業内容は資格試験勉強には考え方のベースとして役立つことはあると考えているが、直接税理士試験問題等は扱わない。資格対応の問題演習を中心とした授業ではなく、基礎概念や現状の体系を中心に扱うものである。
この授業のチームコードは【4q4zsw1】です。
【事前準備学習】
・商学部における学習内容(とりわけ会計学)との関連事項からのアプローチによる内容を扱います。そのため、会計学入門の内容もある程度把握しておくこと。
・(法人)税について、広く納税者としての法人、その納税を助ける税理士、徴税に関わる国税専門官、といった人の役割や責務についても関心を持って頂きたい。
・国の財源に関わる税が、国内の事情だけではなく国際的な状況により影響を受ける仕組みについても関心を広げて頂きたい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『会計利益と課税所得』 永田守男 森山書店 2008年 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
試験(まとめにおけるテスト)および、平常点としての授業への取り組み態度・課題(MinutePaperやレポート等)を総合的に評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション | |
2 | わが国の国家財政 | |
3 | 法律用語の確認 | |
4 | 法人の種類と法人税率 | |
5 | 法人税と課税根拠 | |
6 | わが国の伝統的な会計制度とトライアングル体制 | |
7 | 会計利益と課税所得 | |
8 | 法人税額の算定 | |
9 | 財務会計と税務会計の会計目的 | |
10 | 国税専門官 | |
11 | 世界各国の法人税率 | |
12 | 米国における税務会計と財務会計の関係性①1950年代から1980年代 | |
13 | 米国における税務会計と財務会計の関係性②エンロン事件における問題 | |
14 | タックスヘイブン・タックスシェルター | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |