【講義概要】
・この講義は教職免許法による「教育の基礎理論に関する科目」です。教職に就けば教科指導はもちろんのこと、教科指導
外の学校生活についても大きな責任を受け持っています。学級経営論の授業を通して、安定した学級づくりや学習指導の
充実、生徒指導の推進などを理解し担任としての基本的知識を幅広く身に付けることを目指します。
・学級はすべての子どもが安心・安定して学習したり仲間と共に生活したりしながら、生きる力を育む場でなければなりませ
ん。学級崩壊やいじめ等の問題が地域の問題として注目を集めやすいので、地域の信頼を得るためにも学級担任として欠
かせない問題点の分析力や情報収集技能を身に付けることを目指します。
・今日の教育を取り巻く状況を十分に理解するとともに、危機管理や生徒指導等の学級経営の重要な要素についてアクティ
ブ・ラーニング型の授業で他者と協同しながら問題解決的に学びます。
《毎時間の授業の進め方》
主に次の３段階で授業を構成します。
① 教員による講義及び問題提起
② 問題に対する理解（個人で考えてから、グループ内でお互いの考えを交流）
③ 問題に対する理解の深化（グループから出た意見を全体で議論し練り上げる）
グループワークを中心に授業を進めますが全体でのシェアリングも積極的に取り入れて、主体的・対話的で深い学びを目指します。
【学習到達目標】
・今日の教育をとりまく社会的状況を理解し、学級担任として求められる資質や能力（研修を含む）を身に付ける。
・学級経営（生徒指導や集団づくり・環境経営等）の基本的な事項について理解し、学級を受け持ったときに活用できるよ
うにする。
・「いじめ」や「暴力行為」等の問題行動については、事例研究で対処の仕方を協同的に学び問題解決能力を身に付け
る。
・学級担任に関係ある教育法規や教員の不祥事・メンタルヘルスについて具体的な事例で理解を深める。
【履修上の注意】
学校教育活動では一人一人が個々に力量を発揮するのではなく、外部との連携を含めて協力し合い組織として機能すること（チーム学校）が効果的であり、それが子どもに居場所を提供することにつながります。ですから学級経営論の授業においても一人一人が孤立して学ぶのではなく、受講生同士が協同して問題解決に向けて取り組むことを重視します。受講生同士が交流する場面では、積極的に議論したり批評したりしながらお互いに高め合うことを期待します。仲間の意見を謙虚に傾聴したり、自分の考えを口頭や文章で伝えたりすることの積み重ねで教師力を養うことができます。授業を受けるすべての受講生が「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という気持ちで協同的に学んでほしいと思います。
【事前準備学習】
《事前》事前に授業のテーマに関する情報を参考書・インターネット・新聞等を活用して積極的に収集し、授業の中で自分の
意見を積極的に述べることができるように準備します。常に問題意識をもって意欲的に授業に臨むことを期待します。
《事後》毎時間、授業から学んだ内容をまとめ振り返り対話シートに記述することを課題にします（次時に振り返り対話シート
をペアで交換して所感を記述し合います）。それとともに、いくつかの講義内容を中間まとめシートに整理することを課
題にします。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、１週間借りることができます。（一部貸出不可の図書もあります。）
| 教科書 | 教科書は指定しません。必要に応じて資料等を配付します。 |
| 参考書 | 『学級経営読本』 北村文夫編著 玉川大学出版部 2012年
『学級経営の教科書』 白松賢 東洋館出版社 2017年
『日本の学級集団と学級経営』 河村茂雄 図書文化 2010年
『灯し続けることば』 大村はま 小学館 2004年
『学習指導要領』 文部科学省 |
| 指定図書 | －指定図書は、登録されていません。－ |
【評価方法】
定期試験30％、振り返り対話シート39％、中間まとめシート21％、学び始めシート５％、リフレクションシート５％
・振り返り対話シート：2講から14講まで、毎回、授業で学んだことをまとめる。
・中間まとめシート：2講～5講、６講～10講、11講～14講の学習内容をまとめる。
・学び始めシート：教職原論を履修するにあたり、自分の意気込みを記述する。
・リフレクションシート：全授業終了後に自らの学びを振り返る成長した内容をまとめる。
【講義テーマ】
| 回数 | テーマ | テーマURL |
| 1 | オリエンテーション | |
| 2 | 学級経営についての基本的な理解 | |
| 3 | 新たな時代に求められる学級経営 | |
| 4 | 学習集団の成立の歴史・学習指導要領の変遷 | |
| 5 | 理想の学級集団 | |
| 6 | 学級集団と教師のリーダーシップ | |
| 7 | 教師の教育実践①教育観・児童観・指導観 | |
| 8 | 教師と教育実践②教科指導の実際 | |
| 9 | 教師と教育実践③生徒指導 | |
| 10 | 教師と教育実践④特別支援教育・道徳教育 | |
| 11 | 教科外活動の指導と工夫 | |
| 12 | 環境経営・学級事務 | |
| 13 | 学級経営案 | |
| 14 | 学級担任に関係する教育法規 | |
| 15 | 教師の問題行動とメンタルヘルス | |
| 16 | 定期試験 | |