名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
4限スポーツ倫理学春A瀬戸 23近藤 良享SH3301

【授業情報】

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講義概要

 この授業では、まず、基礎として、スポーツ原理(1年)とこのスポーツ倫理学との連関について理解する。
 ここでは、特にスポーツ活動中に生じる諸問題について課題解決を試みる。スポーツ活動には、選手と選手、選手と指導者、選手と審判、選手と保護者といった間の規範的関係が問われる。
 そこでの原点は、「スポーツは何か」といった原理的問いから、問題事例の正否、善悪、正邪などが検討される。この授業では、スポーツ文化論(秋学期開講)との連携のもと、ゲーム、試合、競技の中の問題事例と社会生活、社会規範との関連にも着目していく。
 具体的には、スポーツの理想から、よい試合の諸要素を描き出すことから始める。よい試合とは何か、対戦相手との関係、フェアプレイとは、体育とスポーツの相違、戦術選択、意図的ルール違反、弱点の攻撃、ガッツポーズなど、現代社会で話題となったり、問題となる事例を1つずつ精査、検証していく。その中で、体育やスポーツについての価値観を形成していく。
 体育・スポーツとの出会いは、幼少期から始まり、保護者、指導者、教員をはじめ、様々な人びとの価値基準に基づく教えの中で、各自が異なった体育・スポーツ環境の中で育んできた。その中で自分自身の体育・スポーツの価値観を形成してきたが、それらが真性、適正であるか、それとも修正が求められるかを確認することが必要である。
 その方法は人文社会科学系の授業は何れも同じである。自身の価値観を相対化して、批判的検討をすることである。その過程を経て、初めて自身の体育・スポーツに関する価値観が評価できるようになる。幅広い教養と総合的な判断力、豊かな人間性は、体育・スポーツの専門家として不可欠な基礎的能力となる。



【学習到達目標】

学修到達の目標は以下のとおりである。
 ①体育やスポーツの諸問題を理解し、説明できるようになる。
 ②自分自身の価値観に基づいて、他の人々と意見交換ができる。
 ③体育やスポーツの基礎知識を用いて、問題解決の方向性が提示できる。
 ④それぞれの立場に立って考え、意見が対立する人々とも討論できる。
 ⑤スポーツを通じて、高いコミュニケーション能力を用いてリーダーシップを発揮できる。



履修上の注意

 自己の体育・スポーツについての既存の価値観を評価するには、まずそれを対象化する必要がある。そのための作業として、他者の価値観との対話は有効な手段である。
 様々な体育・スポーツに関わる諸問題について、自身の意見を他者のそれと対峙させ、自身の立場を相対化して議論(ディベイト)を行うことが有効な手段である。
 各時間、個別のテーマを決めて、できるだけ受講生同士の意見交換の時間を十分に確保して授業を進める。

 Teamsによる授業となる場合のチーム名は、「木4近藤:スポーツ倫理学」とする。



【事前準備学習】

 本授業では予習・復習に対して十分な時間を割く必要がある。毎回、特定のテーマに基づいて授業が展開される。予習については次回講義のテーマ、内容、課題を指示する。テキスト、配付資料の該当部分に目を通し、関連の新聞記事なども目を通しておくこと。
 また、セメスターの中間に確認テストを課すため、復習も行うこと。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『改訂スポーツ倫理』 近藤良享 不昧堂出版 2019
『スポーツモラル』 ワーレン・フレイリー 不昧堂出版 1989
テキストは、「スポーツ原理」(1年次春学期開講)に使用したもの
参考書『よくわかるスポーツ倫理学』 友添秀則 ミネルヴァ書房 2017
『スポーツ倫理』 近藤良享 不昧堂出版 2012
『スポーツ倫理を問う』 友添秀則・近藤良享 大修館書店 2000
レポート作成、定期試験のため、それぞれの参考書が有益である。
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

授業回数の2/3以上の出席が定期試験を受ける条件となる。

その条件をクリアした上で、レポート(10%)、授業参画(ディベイト、課題提出)(30%)、確認テスト・定期試験(60%)による総合で評定する。




【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1オリエンテーション:スポーツ倫理学とは何か
2スポーツの理想:よい試合の構築
3よい試合とは何か:バドミントンゲームから
4対戦相手との関係性:アフターマッチ・ファンクション
5フェアプレイ賞、フェアプレイ宣言
6手つなぎゴールの波紋:体育とスポーツとの差異
7中間まとめと確認テスト
8待球作戦:意図的ファウルボール、サイン盗み
9意図的ルール違反:小学生サッカーから
10弱点を攻めること:山下対ラシュワン
11ガッツポーズ問題:相手への敬意
12戦術選択(1):意図的引き分け、
13戦術選択(2):5打席連続四球:星稜と明徳義塾
14スポーツと還元主義:スポーツは良い子を育てるか
15まとめ
16期末試験