【講義概要】
古代から近世までの様々な古典文学作品を扱う。主に愛知県を舞台とする作品を取り上げ、名所とかかわる物語の生成や享受、広がりについて考察する。名所とは、和歌に詠み込まれる歌枕をはじめとして、様々な旧跡などを含んで成立した概念であり、簡潔に言えば昔から広く知られた土地を指す。
講義の進め方としては、一回につき一つの作品を読む。まず、紀行文や名所図会などを参考に名所を理解し、歴史的知識を習得する。その上で、古典文学作品を具体的に読む。時には文学研究の方法を用い、本文読解を試みる。
また、扱う作品は古代の『日本書紀』からはじまり近世の『東海道中膝栗毛』と、時代も作品のジャンルも様々である。古代から近世の作品を通観し、地域の変遷と物語の変化についても考える。
「日本文学」は、名古屋学院大学ディプロマポリシーのうち、「知識・技能 1) 人間、社会、文化、自然等に関する幅広い知識を身に付けている。」及び「思考力・判断力・表現力 2) 他者に対して、自分の考えを口頭や文章によって的確に伝えることができる。」に関連した科目である。また、カリキュラムポリシー「学修成果の評価 1) 各科目の評価は、シラバスに提示された方法に基づき、原則として平常点および試験等の総合評価により行われます。」に該当する。
【学習到達目標】
・各地域と作品の歴史的、文学史的知識を習得すること。
・「物語を読む」方法を身につけること。
・地域と文学作品の繋がりについて考える力を養うこと。
・違う時代を生きた人々の思いを共有し、当時の人々の考え方や生き方を探求すること。
【履修上の注意】
・欠席5回で失格となります。
・毎回リアクションペーパーの提出を課します。
この授業は、対面(面接)授業と非対面授業を隔週で実施し、非対面授業を、CCSを活用した基本型授業(教材提示・課題提出)で実施します。
【事前準備学習】
・次回の授業範囲に一通り目を通しておくこと。
・積極的に物語を読むこと。
・可能であれば、実際に名所を訪れ、作品を「追体験」すること。
※作品の「追体験」については第一回のオリエンテーションで詳しく説明します。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『改訂版 愛知で知る読む日本文学史15講―古典de聖地巡礼―』 中根千絵、森田貴之編 三弥井書店 2020年 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点50%、レポート50%の総合評価です。具体的には第一回目のオリエンテーションで説明するので、必ず出席してください。
平常点は、各回のリアクションペーパーの内容と提出状況で評価します。レポートは、中間レポートと最終レポートがあります。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション | |
2 | 熱田 『日本書紀』 | |
3 | 引間野 『万葉集』/元号「令和」について | |
4 | 古渡 『日本霊異記』 | |
5 | 八橋 『伊勢物語』 | |
6 | 国府 『古今著聞集』 | |
7 | レポートの書き方について | |
8 | 犬頭神社 『今昔物語集』 | |
9 | 野間 『平治物語』 | |
10 | 阿波手の杜 『反魂香(不逢森)』 | |
11 | 津島 『千鳥』 | |
12 | 甚目寺 『姥皮』 | |
13 | 矢作 『浄瑠璃御前物語』 | |
14 | 有松・鳴海・笠寺 『東海道中膝栗毛』 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |