【講義概要】
哲学を学ぶこととは単に「哲学史の知識を知る」ことではないのですが、「哲学する」ことを学ぶには、哲学史上の知識は必要です。この授業では、中世以降の西洋哲学史の流れに即し、各時代の主要な哲学者、著作、そこでの主な問題、使われている諸概念等をできるだけ整理して紹介します。とりわけ、各時代に特徴的な問題については、現代的に問い直して紹介したいと思います。そこでの主要な問題は「宗教的なものの見方」と「科学的なものの見方」です。それぞれ、私たちの世界の見方、人間の捉え方の一つです。その考察を通じて、自分で考える訓練をおこない、ひいては考え方そのものの多様性を理解していただきたいと思います。
本講義は、本学のディプロマ・ポリシー(全学)のうち、「人間、社会、文化、自然等に関する幅広い知識を身につける」こと、「論理的思考力等の技能を身につける」こと、それらを通して「思考力・判断力」を涵養することを目指します。また毎回レポートを書いてもらいますので、「表現力」の養成ともなるでしょう。
【学習到達目標】
哲学史の基礎知識を習得するとともに、多様な議論を理解することを通じて、思考の柔軟性を養うことを目標とします。
【履修上の注意】
この授業は、対面(面接)授業と非対面授業を隔週で実施し、非対面授業を、CCSを活用した基本形授業とTV会議システム(Teams等)を併用して実施します。具体的には、各回の授業は以下3要素で構成されます。
1.事前学習(詳しくは下記参照)。決定的に重要です。
2.授業時間...事前学習を前提に、質疑応答を中心とした授業を行います。各回ごとに質問者を事前に指名します。また時間厳守を徹底します。授業開始時刻に入室(対面時)ないしTeams参加(非対面時)していなければ遅刻とします。
3.授業参加を前提として、授業時提出(対面時)または授業日当日深夜〆切でCCS提出(非対面時)のレポート。各回の成績はこのレポートのできが中心です。
【事前準備学習】
授業1週間前に、詳しい解説ファイルをCCSにアップしておきますので、事前に十分読み込んでから授業に参加してください。レポート課題もそのファイルに含まれていますので、一応の準備はできます。
授業時間の質疑応答も踏まえて、当日にレポートを提出してください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 必要なものはすべてファイルで配付します。 |
参考書 | 哲学者の文献については授業中に適宜紹介します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
各回のレポートの出来を点数化し(90点満点)、それに授業への貢献分(40点満点)を加算し、合計130点満点で成績をつけます。各回のレポートの点数は一回の授業ごとにCCSでお伝えします。
単に授業参加しているだけでは単位履修は困難です。点数不足の場合は途中で警告や失格とします。レポートのできが決定的に重要であり、それゆえ特に事前学習が重要です。
詳しくは第1回授業の前半「オリエンテーション」で説明します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション、宗教と哲学 | |
2 | 中世哲学の流れと初期教父時代の論争 | |
3 | アウグスチヌスと新プラトン主義 | |
4 | 悪の問題...アウグスチヌスvsプロチノス | |
5 | 神の存在証明...アンセルムスvsカント | |
6 | 神学とは何か...トマス・アクィナス | |
7 | 目的論と【宗教vs科学】...アリストテレスとデカルト | |
8 | 近代哲学の流れとデカルトの懐疑 | |
9 | コギトと物体...デカルト | |
10 | 心身問題 | |
11 | 近代における心身問題の展開/マールブランシュとライプニッツ | |
12 | 近代における心身問題の展開/バークリー、ヒュームとスピノザ | |
13 | 本有観念の問題...ロックvsライプニッツ | |
14 | カントによる「総合」 | |
15 | 総まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |