名古屋学院大学シラバス


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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
4限【教養】国際関係論秋A名古屋 21鈴木 規夫AO1303

【授業情報】

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講義概要

「国際関係論」とは何か。
国際関係論を、国際政治学(国際政治史を含む)と同一の内容をもつ政治学の一部と考える立場(アメリカなど)と、より広く国際政治学とともに国際経済学、国際法学、地域研究など、いわば国際と名のつく学問を総合的にとらえようとする立場(日本の場合)とがあります。
尤も、「国際関係」ということば自体は同義語の反復で、日本語の「国際」ということばにすでに「諸国間の関係」(「際」)という意味があり、さらに言えば、「国際関係学」ではなく「国際関係論」という名が用いられている事も、この学問の未熟さを物語っています。「国際学」などという語も用いられていた事があり、1970年代に上智大学国際関係研究所のグループによって試みられた事がありましたが、あまり一般化してはいません。
30年ほど前までは、国際関係論の方法的研究に意欲的なのはアメリカの学界で、実証的研究と並んで理論的研究も盛んに行われていました。しかし、そこに提唱される理論の多くは、国際関係のなかのきわめて限られたテーマに関する「部分理論」であり、巨大な国際関係の現実を総括しうる「全体理論」ではありませんでした。できる限りの事象を説明し尽くそうという情熱は、そもそもの国際関係論に欠けるところでした。逆に、国際関係の現実は、いよいよ諸学の総合による解明を必要としています。国際関係論は、日本にあっては輸入学問という色彩が濃いとはいえ、例えば、平和に貢献するという目的意識の明確な平和研究の方向などに、研究の前途をみいだす立場が有力となりつつあります(cf.日本大百科全書)。
本講義では、学問としての国際関係論への導入部分として、日常のさまざまな「国際報道」を通じて、世界で何が起こっているのか、持続的関心を向け、考えてもらう手掛かりを提供するつもりです。
なお、本講義は、本学のディプロマポリシーである人間、社会、文化、自然等に対する幅広い知識を身に付け、豊かな国際感覚を整え、社会の発展に貢献できることを目指しています。



【学習到達目標】

世界の成り立ちと趨勢の相関関係をよく認識し、新聞、ニュース番組等の内容を、時間的にも空間的にも、より深く理解できるようになる事が、本講義の到達目標です。



履修上の注意

まず、提供された資料をよく理解する事に努め、講義内容を聞きながら、ジャーナリストになったような心持ちで、自らノートをきちんととれるようになっておく事が肝心です。



【事前準備学習】

日頃からニュース(マスメディアばかりではなく、SNSやネットなどでのそれも)に敏感に反応できるようになっておきましょう。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『コロナ禍後の世界ー〈人類運命共同体〉の岐路』 鈴木規夫 国際書院 近刊
『私たちはどんな世界を生きているか』 西谷修 講談社現代新書 2020
『コロナ禍後の世界ー〈人類運命共同体〉の岐路』(仮題)は2021年6月頃の発刊予定ですので、上梓されましたら、また改めてお知らせします。
参考書『 オリエンタリズム』 エドワード・W. サイード 平凡社 1993
『危機の二十年――理想と現実』 E.H.カー 岩波文庫 2011
『現代国際関係史: 1945年から21世紀初頭まで』 有賀 貞 東京大学出版会 2019
その他、必要に応じて講義中に参考文献を指示します。
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

試験70% 平常点30%(出席および小レポートの評価) 但し、コロナ禍の状況に応じて臨機応変に対応します。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1はじめに
2国際関係論と国際主義
3国際関係における権力とは何か
4帝国主義の時代と軍事力
5創られた人種
6戦争の世紀
7アジア主義とは何か
8アジアの知識人たち
9アメリカのソフト・パワーと戦後の日本
10ジョン・ダワーの警告ー現代における戦争
11社会主義の世紀として20世紀と21世紀の社会主義Ⅰ
12社会主義の世紀として20世紀と21世紀の社会主義Ⅱ
13国際関係におけるインテリジェンスⅠ
14国際関係におけるインテリジェンスⅡ
15「資本主義の終わりより、世界の終わりを想像する方がたやすい」
16定期試験期間