名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
集中 【教養】国際政治学集秋瀬戸 21安武 裕和AO1302

【授業情報】

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講義概要

本講義は、現代における国際政治の基本構造を理解するために、その主体となる「主権国家」およびそれらを中心とする現代の国際政治のアウトラインが形成されるに至るまでの経緯を確認した上で、今日の国際政治が抱えている様々な問題について多角的な視点から概括することを目的とする。
 現代の国際的な諸問題を理解するための基礎情報は、名古屋学院大学のDPにおいて提起されている「人間、社会、文化、自然等に関する幅広い知識」を習得する上での土台であると同時に、「各自が専攻する学位分野における基本的知識」の体系的な理解にも役立ち、それぞれの学問領域に基づいて「実社会で生起する様々な課題」を正確に理解し、解決策を考える上でも必要な情報となりうる知見でもあり、本講義の内容を理解することそれ自体が「情報収集・分析力、論理的思考力等の技能」を身に付ける上での訓練でもある。
 また、講義中は教員側から学生を指名して発言を求めたり、コメント用紙を通じて意見を求めることもあるが、これは「自分の考え」を口頭や文章によって的確に伝える技術を習得すると同時に、自分以外の受講者の意見を聞くことで「他者を理解・尊重して、よりよい人間関係を築くこと」の訓練でもあり、最終的にそれは「学修成果を活用し、他者と協働して問題解決に向けて行動すること」へと繋がる。そして、これはCPとして掲げられている「双方向型の授業」というコンセプトに基づいたスタイルでもあり、「社会生活に必要な知識や技能の修得」や「成熟した市民として必要な教養の獲得」を達成するための方式でもある。
 学習成果に関しても、名古屋学院大学のカリキュラムポリシーに従い、「平常点および試験等の総合評価」に基づいて採点する。その際には、毎回の講義の最後に受講者が記入したコメント用紙に書かれた内容から、各自が本講義を通じてどこまでの「思考力・判断力・表現力」や「主体性・多様性・協働性」を獲得したのか、ということを評価した上で、最後に開催する試験結果と併せて総合的に採点する。



【学習到達目標】

まず、一日目の講義を通じて、現代の国際政治の原点となったウェストファリア体制の形成から、その枠組に基づいて世界全体が「主権国家」を単位とした国際政治構造へと統合されていく過程について理解した上で、二日目は、現代の様々な国際機関の果たしている役割について確認しつつ、世界各地で発生している様々な国際紛争などに関する基礎知識を習得し、三日目は、一日目と二日目を通じて理解した枠組に基づいて、「主権国家としての日本」の形成から現代に至るまでの国際政治的な位置付けの変遷を概括しつつ、現代日本が抱える国際政治の問題についての理解を深めることを目指す。



履修上の注意

毎回、講義の最初に「空欄付レジュメ」と「コメント用紙」を配布する。学生は講義を聴きながら空欄を埋めつつ、内容について疑問に思ったことなどをコメント用紙に記入する。その上で、教員は次回の冒頭でそれらの質問への回答を口頭で説明する。講義進行の目安(1限の場合)は以下の通り。
・09:30-09:50 前回受け取ったコメント用紙への回答
・09:50-10:50 講義
・10:50-11:00 コメント用紙記入&提出
 このため、10分程度でコメントをまとめて記述する日本語執筆能力は必須となる。また、講義中は学生に頻繁に質問するので、口頭での日本語会話能力が無ければ、講義に参加するのは難しい。



【事前準備学習】

基本的に予習は不要。ただし、あくまでも大学生向けの講義である以上、義務教育レベルの社会科の知識を前提とした講義となるため、その自信のない者は、集中講義が始まる前に、中学時代の教科書や参考書などを通じて、歴史・地理・公民などに関する基礎知識を復習した上で講義に臨むことを推奨する。
 また、講義は毎回、「過去の講義内容を理解していること」を前提として進めていくので、帰宅後にその日の5コマ分の講義内容をきちんと復習した上で翌日の講義に出席しなければ、内容を理解することは難しい。その上で、講義中にどうしても理解出来なかったことがあれば、講義の前後で随時質問は受け付ける。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書-教科書は、登録されていません。-
参考書-参考書は、登録されていません。-
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

最終的な成績評価は、「試験」の点数と、毎回の講義後に提出されるコメント用紙に基づいた「平常点」の合算でおこなう。試験は全15回の講義内容の理解度を確認するための問題を5問出題し、各20点の100点満点として採点する。なお、全てのレジュメおよび参考書などの持込を許可する(電子機器は不可)。平常点は毎回の講義内容に対するコメントの内容に応じて、毎回最大5点の平常点を与えるため、実質的には75点満点となる。
 そして試験点をX、平常点をYとした上で、「X+(100-X)×Y÷100」の計算法に基づいて、最終評価点を算出する(ただし、最後の試験に欠席した場合は「0点」)。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1はじめに〜国際政治と国内政治〜
2古代・中世における「国家」の形成過程〜都市国家から帝国へ〜
3三十年戦争とウェストファリア条約〜「主権国家」体制の確立〜
4「国民国家」の形成過程〜運命共同体としての「国民」思想〜
5現代における国際関係の成立〜二度の世界大戦と東西冷戦〜
6「国際連合」の位置付け〜国家間調整機関としての意義と限界〜
7現代における主要な紛争地域〜国際的総意を得られていない主権〜
8国際政治と国内政治の境界領域〜国家の枠組みを超えた政治的連帯〜
9現代における多様な「国家間連合」〜軍事同盟・経済同盟・その他〜
10包括的な「超国家機構」の出現〜欧州統合のここまでの経緯〜
11「国家」としての「日本」の形成〜アイデンティティの統一〜
12「主権国家」としての承認〜「ウェストファリア体制」への編入〜
13現代における国家枠組としての「日本」の確立〜敗戦と復興〜
14現代日本にとっての国際政治〜周辺諸国との国際関係〜
15まとめ〜本講義を通じて得られた知見〜
16定期試験期間