【講義概要】
産業組織論はあまり聞きなれない分野だと思います。産業組織論は、ミクロ経済学を個別市場に応用することで、消費者や生産者といった経済主体の行動や、社会にとって望ましい価格や生産・販売、さらには品質や製品開発などが実現しているか、社会損失が発生していないかなどを分析対象として取り扱います。
この講義では基礎的なミクロ経済学の知識が必要となります。そのため講義の序盤でミクロ経済学の復習を行い、その後具体的な事例や政策の分析・評価を学習します。ミクロ経済学では一般的化された仮定の下で様々な余剰分析を行ったと思います。しかし現実の経済事象は複雑で、市場によっても異なる特徴を持っています。そのとき企業はどのような価格戦略をとることが最適なのか、政策立案者はどのような政策を行うことで市場が最適となるのかを理解することは資源配分の面で非常に関心がもたれるところです。講義の中で、日々の新聞報道や政府・地方自治体の報告資料などを参照し、実際の戦略や政策の裏側にはどのような経済理論が隠れているのか理解します。
本講義は講義形式で行います。テキストは特に指定しません。学生の理解度に合わせて講義計画を修正する場合があります。
【学習到達目標】
基本的な経済用語を理解し、本や記事を読めるようになる。
最低限のミクロ経済学やゲーム理論を理解し基本的な分析が可能になる。
【履修上の注意】
この授業は、CCS を活用した基本型授業(教材提示・課題提出)で実施します。
学生の理解度によっては動画配信など行う場合はあります。
また理解度によっては講義内容の進度・内容に変更がある場合があります。
遠隔講義の特性上、期末試験は行わず、毎週の課題で評価します。
毎週の課題は提出期限までに出すようにしてください。
【事前準備学習】
受講前に基礎的なミクロ経済学の復習を行っておくと望ましい。
講義の後に練習問題を課す場合があるので解いて復習するのが望ましい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『産業組織とビジネスの経済学』 花園誠 有斐閣 2018年 『産業組織論 -- 理論・戦略・政策を学ぶ』 小田切宏之 有斐閣 2019年 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス、産業組織論とは何か | |
2 | 消費者行動、生産者行動、余剰分析 | |
3 | 完全競争と独占 | |
4 | 寡占 | |
5 | 参入とコンテスタブル市場 | |
6 | 価格戦略の多様性 | |
7 | 製品差別化と参入の戦略 | |
8 | 品質と価格戦略・広告戦略 | |
9 | 競争優位の戦略 | |
10 | 技術戦略 | |
11 | 市場画定と市場構造 | |
12 | カルテル | |
13 | 企業結合 | |
14 | 垂直的取引制限 | |
15 | マルチサイド市場とプラットホーム | |
16 | 定期試験期間 | |