名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
3限財政学秋A名古屋 22萩原 史朗EK2314

【授業情報】

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講義概要

■ 講義の概要
 本講義では,予算および租税制度,租税,および,財政の持続可能性に関する基礎理論を中心に授業を行う.
 講義では,まず,予算制度,予算の種類,および,予算編成の手続きについて学習する.
 次に,租税原則について学習した後,所得,法人,消費の各課税の仕組みについて学習する.そして,その後.租税の基礎理論について学習する.
 さらに,所得再分配および年金等の社会保障を通じた財政の役割について学習した後,最後に,財政運営のあり方や財政の持続可能性を保つための諸条件について学習する.
 本講義を通して,「国と地方合計で1,100兆円の債務を抱えるわが国の財政状況を鑑み,公平・中立・簡素な租税はどのようなものであるか?」,「近年,政府支出の大きな割合を占める社会保障財政のあり方はどのようなものであるか?」,「今後,人口減少と少子高齢化が急激に進むわが国において,財政の持続可能性をどのように保つか?」等を念頭に置きながら,それらを考察するための基礎となる講義を行う予定である.

■ 学部のディプロマ/カリキュラムポリシーとの関係
 本講義は,経済学部のディプロマポリシー『知識・技能』のうち,「経済社会が抱える様々な課題に対する関心と問題意識を持つことができる.」,「経済学の基礎的専門知識や分析ツールを使いこなすことができる」,『思考力・判断力・表現力』のうち,「社会を洞察するための論理的思考力をつけ,因果関係の把握や費用便益の比較考量ができる.」,「政治・法律分野とのつながりを理解し,経済社会を多面的に捉えることができる.」,「経済社会の現実における課題を自ら発見し、経済学を基盤とした知識を実際の経済社会へ応用することができる.」を修得することを目的としている.

 本講義は,COC地域志向科目である.




【学習到達目標】

(1) 受講生が予算および租税制度について理解する.
(2) 受講生が所得,法人,消費の各租税制度について理解する.
(3) 受講生が租税の基礎理論について理解する.
(4)受講生が所得再分配,および,年金の仕組みについて理解する.
(5) 受講生が国債制度や財政の持続可能性に関する基礎理論を理解した後, 「1,200兆円を超える累積債務が存在し,今後,急激に人口減少と少子高齢化が進む状況下において,わが国の財政の持続可能性を維持し,かつ,国民がより良い生活を送る上で,どのような税体系や社会保障体系を設計する必要があるか?」等について自分自身の意見を理路整然と説明できるようになる.



履修上の注意

(1)講義は各週ごとに対面講義と遠隔オンデマンド(ライブ方式ではない)で行われる(秋学期の講義方法に関しては変更の可能性あり)..
(2)講義は積み重ね方式になっているので,それまでの講義で習ったことが頭に入っていなければ,講義内容がどんどんわからなくなってしまう.したがって,欠席や遅刻等をしないこと.
(3) 講義では講義資料をプロジェクターで表示しながら講義を進める.
(4) 講義中の不必要な私語を厳禁する.何度か注意しても同じ行為を繰り返す場合は,大幅に平常点の減点を行う.
(5) 受講者の講義への積極的な参加を希望する.積極的に意見や質問を行ってもらいたい.



【事前準備学習】

事前学習:
(1)1年次で学習した「ミクロ経済学入門」,「マクロ経済学入門」,2年次で学習した「財政学入門」の内容についてよく復習を行うこと.
(2)日頃から新聞を読んだりニュースを見たりしながら国や地方の財政に関心を持つこと.

事後学習:
(1) 講義後は講義資料や参考文献の該当箇所を読んで復習を行うこと.
(2)講義中に配布する復習問題を用いて自宅学習を行い,知識を確実なものにすること.



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 本講義では,特定のテキストは使用しません.代わりに,講義資料と復習問題をCCSにアップするので,これらを用いて予習・復習を行ってください.
参考書『財政学をつかむ [新版]』 畑農鋭矢・林正義・吉田浩 有斐閣 2015年
『租税の経済分析』 森徹・森田雄一 中央経済社 2016年
『実践財政学 基礎・理論・政策を学ぶ』 赤井伸郎編 有斐閣 2017年
『入門財政学』 土居丈朗 日本評論社 2017年
『財政学15講』 麻生良文・小黒一正・鈴木将覚 新世社 2018年
『財政学-- 制度と組織を学ぶ』 佐々木伯朗編 有斐閣 2019年
『日本の税制と財政』 林宏昭 中央経済社 2019年
『財政学』 宮澤和俊・焼田党 新世社 2019年
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

 平常点30点満点,学期末試験70点満点の合計100点満点で,以下のように絶対評価を行う.
   90 点以上の場合 → S,80点以上89点以下の場合 → A,70点以上79点以下の場合 → B,
   60点以上69点以下の場合 → C,59点以下の場合 → D

なお,学期末試験を受験したとしても,6回以上の欠席で「受験資格なし」とするので注意すること.




【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1講義の概要とガイダンス:財政学とは?
2予算原則と予算制度
3予算の種類と予算編成
4租税原則と租税制度
5所得税
6法人税
7消費税
8租税の経済分析(1):従量税と従価税
9租税の経済分析(2):価格弾力性と租税の帰着
10所得再分配
11年金
12国債
13財政赤字の伝統的議論と中立命題
14財政の持続可能性と財政再建
15授業総括
16定期試験期間