【講義概要】
国境を越えるヒト・モノ・カネが飛躍的に増大しグローバル化が進みつつある一方、”異質な人びと”への差別や排除あるいは国境を跨ぐ対立・紛争も深刻化している。そうした世界の今日的課題とはなにか――越境を強いられる人びとの姿を中心にネイションの〈境界〉を考えていく。
まず、ネイションの境界を画定し国民国家の建設と統合を促す最大の要因を戦争に据え、権力政治的な国際秩序の構築・再編のなかで排除されてきた難民について論じる(ホロコーストとパレスチナ難民)。
つぎに、再び注目されている移民への差別やアメリカでの「人種主義」など、国民国家システムの視点から現代世界への課題について検討していく。
【学習到達目標】
「ネイション」「エスニシティ」「ディアスポラ」など、人びとのまとまりを括る〈境界〉がいかに成立してきたのか――基本概念の把握とともに、国民国家(ネイション・ステイト)の成立と変容への理解を目標とする。また、多様な文化的歴史的背景をもつ人びとの共存のあり方を考えながら世界への視野を広げ、国際社会のあるべき姿を展望すること。
【履修上の注意】
・時間厳守。
・対面と非対面を隔週で実施。非対面授業ではTV会議システムを使用して実施する予定。
【事前準備学習】
提示されたレジュメ・資料(プリント)を中心に予習・復習すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・最終回実施の課題=60%
・授業で提示する課題=40%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | プロローグ:国際関係のなかのネイション | |
2 | ネイションとは何か①:○○人/○○文化とはなにか | |
3 | ネイションとは何か②:主権的国民国家とはなにか | |
4 | ネイションとは何か③:なぜネイションは対立するのか | |
5 | 世界戦争とネイション①:戦争と憎悪のしくみ | |
6 | 世界戦争とネイション②:戦後秩序と難民 | |
7 | ディアスポラ/難民①:ユダヤ人とホロコースト | |
8 | ディアスポラ/難民②:イスラエル=パレスチナ紛争――ホロコーストとナクバ | |
9 | ディアスポラ/難民③:イスラエル=パレスチナ紛争――四つの中東戦争 | |
10 | 映像から考える難民問題①:前半 | |
11 | 映像から考える難民問題②:後半 | |
12 | 冷戦後の国際正義①:国際正義論の歴史と現在 | |
13 | 冷戦後の国際正義②:人道的介入と保護する責任 | |
14 | 冷戦後の国際正義③:包摂と排除の政治学 | |
15 | エピローグ:排外主義を考える | |
16 | 定期試験期間 | |