【講義概要】
現在、世界のムスリム(イスラーム教徒)人口は十数億人と推定されており、年々増加している。このような世界の状況を踏まえると、イスラームに関する様々な事柄について理解を深めることは今や必須となりつつある。
また、現代の国際問題の多くは、イスラームが社会的に大きな影響力を持つ地域で起きている。しかしながら、日本の新聞・書籍やテレビ番組などにおけるイスラームや「イスラム世界(イスラム文化圏)」に関する記事やニュースは、いまだ誤解が多く、それぞれの問題を正確に記述・報道しているとは言いがたい。そして、現在の「イスラム世界(イスラム文化圏)」で起きている諸問題は、我々にとっても決して無関係なものではない。
以上を踏まえ、本講義の前半では、イスラームに関連する幾つかのテーマ(基礎知識、言語、イスラーム法、文化など)をとりあげて解説する。 後半では、「イスラム世界(イスラム文化圏)」各地域・国家や欧米におけるイスラームの現状と諸問題について考察する。なお、受講者数や状況によって、各回の内容や順序は多少変更することがある。また、状況次第であるが、希望者がいれば、課外活動として「名古屋モスク見学会」も予定している。
この講義は、国際文化学部のディプロマ・ポリシー【知能・技能】のうち「日本および世界の各地域の文化・歴史・社会・政治・経済などを学び、グローバル社会における多文化理解を身に付ける」ことを主な目的としている。
【学習到達目標】
・本講義を受講することによって、日本ではいまだ馴染みがうすく、誤解が多いイスラームや「イスラム世界(イスラム文化圏)」についての理解が深まる。
・「イスラム世界(イスラム文化圏)」の特徴を理解することができる。
・多文化共生社会のための知識や思考力を身に付けることができる。
【履修上の注意】
・この授業は、対面(面接)授業と非対面授業を隔週で実施し、非対面授業をCCSを活用した基本型授業(教材提示・課題提出)で実施します。
・講義中の私語・携帯電話(スマートフォン)の使用・飲食・無断退出は厳禁。
・他の注意事項はガイダンスで説明。
【事前準備学習】
・世界の地理を世界地図などで事前に確認しておくこと。
・新聞や報道番組などにおけるイスラームや「イスラム世界(イスラム文化圏)」に関する記事やニュースに気を配っておく こと。
・講義内容で理解不足の箇所やほぼ毎回出題する課題でよく分からなかった設問は、復習しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特になし。 |
参考書 | 参考文献は適宜紹介する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点(ほぼ毎回出す課題、授業態度など):40%、試験:60%を目安に総合的に判断する。
なお、各課題に対する解答や解説などは、原則その次の回に行う。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 講義の概要と注意点に関する説明、イスラム世界(イスラーム文化圏)とは? | |
2 | イスラームに関する基礎知識:六信五行 | |
3 | イスラム世界(イスラム文化圏)に関する基礎知識:言語、宗派、モスクなどについて | |
4 | 預言者ムハンマドと聖典 | |
5 | イスラームにおける「生と死」とそれに関する諸問題 | |
6 | 「イスラムー法」とイスラームにおける「男・女」 | |
7 | イスラームにおける「飲食」 | |
8 | イスラーム世界の文化:前近代を中心に | |
9 | イスラーム世界の文化:映画 | |
10 | 湾岸産油諸国 | |
11 | パレスチナ問題 | |
12 | 現代イラン | |
13 | 現代トルコの諸問題(1):世俗主義とイスラーム | |
14 | 現代トルコの諸問題(2):キプロス島問題、アルメニア人「虐殺」問題、クルド人問題 | |
15 | 欧米におけるイスラーム | |
16 | 定期試験期間 | |