【講義概要】
人はこれまで、言葉や絵、文字にはじまり、紙、印刷、写真、録音、映像といったメディア技術の進歩に応じて情報伝達をしてきた。西洋のキリスト教芸術はそもそもの始めから、超越的な神や聖なる存在を、眼に見える形や色彩で表現しうるか、という大きな課題から出発している。キリスト教は、絵の具などの物質的な材料で不可視の霊性をとらえることの不可能性を自覚しつつも、信徒の教化や徳の養成に、芸術や聖堂建築を積極的に利用し作品として生み出していった。中世から近世の作品に描写されている芸術表現の歴史を辿ることで、そこにはリアリズムを求める立体的表現、円環的に配される群像、高度な遠近法が用いられる背景など、絵画技術の進歩をキリスト教芸術から学び知ることができる。本科目ではキリスト教芸術の主題や図像について聖書から学ぶとともに、作品表現の様式的な変化を生じさせた時代背景や要因について紹介する。
【学習到達目標】
・聖書の内容とキリスト教絵画に表現された意味を理解できるようになること。
・キリスト教絵画に影響を及ぼした表現の変遷を学ぶこと。
【履修上の注意】
この授業は、対面(面接)授業と非対面授業を隔週で実施し、非対面授業を、CCSを活用した基本型授業とTV会議システム(Teams)を併用して実施する。
【Teamsコード】 8nv48t8
・初回の講義で、評価方法や出欠の取り方などを含めた履修上の注意事項を説明する。
・講義内で配布したプリントはすべてCCSの教材BOXにアップロードする。やむを得ない理由で講義を欠席した場合、あるいは復習のために活用すること。
【事前準備学習】
図書館(名古屋キャンパス・瀬戸キャンパス)に所蔵されている西洋絵画史に関する書籍を参照すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 適宜講義内で紹介する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
授業への主体的参加と発言:20点
毎回授業で配布するコメントペーパーの内容:30点
レポート:50点
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション 絵画がもたらすもの | |
2 | 画材の歴史 | |
3 | 古代ギリシア美術 幾何学様式 | |
4 | アルカイック美術 エジプトの大彫刻 | |
5 | 古代ローマ美術 写実的肖像彫刻、肖像画 | |
6 | 初期キリスト教美術 精神と神秘の装飾 | |
7 | ビザンティン美術 東ローマ帝国のモザイクと聖像 | |
8 | ロマネスク美術 修道院の美術 | |
9 | ゴシック美術(1) 写本のミニアチュール、板絵祭壇画の自然主義的表現 | |
10 | ゴシック美術(2) 着色ガラスと聖堂のステンドグラス | |
11 | 初期ルネサンス 人間の精神と肉体、神話画と遠近法 | |
12 | 盛期ルネサンス 均整と調和の古典主義芸術 | |
13 | ヴェネチア派 豊麗な色彩と詩的暗示的表現 | |
14 | 北方ルネサンス 精密・正確な描写 (北方ヨーロッパ)の写実的表現 | |
15 | マニエリスム 反自然主義的美 | |
16 | 定期試験期間 | |