【講義概要】
人類の歴史において、音楽と宗教は密接な関係を保っている。音楽には感情を増幅させる働きもあり、宗教を伝える言葉もまた、本来は音声である。声に出して読み、語り伝えるためには、発声、発音、アクセント、リズムなどの音声表現に付随する韻律要素を含んでいる。キリスト教はそのルーツであるユダヤ教と同じように神を賛美し、歌うことを重視してきた。祈りは歌へと通じ、旧約聖書には様々な楽器が登場し、出エジプト記にある「主に向かって歌え」(15:21)は、弦楽器が奏でる詩編の祈りを経て、J.S.バッハに至る賛美の歌の原点にもなっている。嬉しい時も悲しい時も、神に向かって歌った歴史もキリスト教の文化を作り上げてきたのである。本科目では、旧約聖書、新約聖書の内容を伝えるために、音楽がどのように用いられてきたか、礼拝のテーマに基づいて教会音楽を分類し、その役割や機能について学ぶ。
【学習到達目標】
・キリスト教音楽に影響を及ぼした表現の変遷を学ぶこと。
・音楽史を概観できるようになること。
【履修上の注意】
この授業は、対面(面接)授業と非対面授業を隔週で実施し、非対面授業を、CCSを活用した基本型授業とTV会議システム(Teams)を併用して実施する。
【Teamsコード】 nsn65pn
・初回の講義で、評価方法や出欠の取り方などを含めた履修上の注意事項を説明する。
・講義内で配布したプリントはすべてCCSの教材BOXにアップロードする。やむを得ない理由で講義を欠席した場合、あるいは復習のために活用すること。
【事前準備学習】
図書館(名古屋キャンパス・瀬戸キャンパス)に所蔵されている音楽史に関する書籍を通読すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『グレゴリオ聖歌』 水嶋 良雄 音楽之友社 1966年 『詩篇の音楽』 寺本 まり子 音楽之友社 2004年 『キリスト教音楽の歴史/初代教会からJ.S.バッハまで』 金澤 正剛 日本キリスト教団出版局 2005年 『キリスト教と音楽/ヨーロッパ音楽の源流をたずねて』 金澤 正剛 音楽之友社 2007年 講義内で適宜紹介する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
授業への主体的参加と発言:20点
毎回授業で配布するコメントペーパーの内容:30点
レポート:50点
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション 音楽がもたらすもの | |
2 | 聖書と音楽の関わり 旧約聖書と楽器 | |
3 | 楽譜の情報 | |
4 | ローマ教会とグレゴリオ聖歌 ラテン語聖歌の伝統 | |
5 | 中世ポリフォニーと宗教歌曲 音楽劇と典礼劇 | |
6 | ルネサンスにおける表現の自由 新譜法とミサ曲 | |
7 | 初期ルネサンスの教会音楽 器楽の発達 | |
8 | ルネサンス隆盛期の教会音楽 教会建築と音響効果 | |
9 | ドイツの宗教改革とその波及 コラールの展開 | |
10 | 宗教改革における表現の自由 聖書のみ、信仰のみ、万人祭司 | |
11 | バロックへの道 オルガンの発達と通奏低音の役割 | |
12 | バロック期のイタリア | |
13 | バロック期のフランスとイングランド | |
14 | バロック期のドイツ | |
15 | 日本と西洋音楽 | |
16 | 定期試験期間 | |