【講義概要】
日本宗教は今日に至るまでどのように成り立ってきたのでしょうか。神道、仏教、儒教、道教、民俗宗教を取り上げ、日本の宗教文化の変遷を探ります。明治時代以降、日本社会は近代化と共に欧米文化を積極的に取り入れ、その影響は日本宗教にも影響を及ぼしてきました。キリスト教をはじめとする欧米の宗教は、東南アジアの宗教と比べ、歴史観や自然観と共に大きく異なります。一方で日本宗教もまた、仏教、儒教、道教といった外来宗教の影響によって、土着の伝統と相互に影響を及ぼし合いながら、今日まで形成してきました。宗教について学ぶことは、人間の精神史にもつながり、古代から現代社会を時代背景にして、宗教が文化や政治とどのような相互関係にあったのかを考える出発点にもなります。この科目では比較宗教の視点を通じて、国際文化社会における日本宗教の語り方を考えます。
【学習到達目標】
・各宗教の歴史の概観を理解し、各自が興味のある分野で勉学・研究していくための基礎知識を身につけること。
・各宗教の特徴、共通性を学び、私たち現代人にどのような教義を語り続けているのか理解を深めること。
【履修上の注意】
この授業は、対面(面接)授業と非対面授業を隔週で実施し、非対面授業を、CCSを活用した基本型授業とTV会議システム(Teams)を併用して実施します。
【Teamsコード】 q5uitsu
・10回以上の出席を求めます。初回の講義で、評価方法や出欠の取り方などを含めた履修上の注意事項を説明します。
・講義で配布するプリントは毎時間持って来るようにしてください。
・講義内で配布したプリントはすべてCCSの教材BOXにアップロードします。やむを得ない理由で講義を欠席した場合、あるいは復習のために活用してください。
【事前準備学習】
図書館(名古屋キャンパス・瀬戸キャンパス)に所蔵されている比較宗教に関する書籍を通読してください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 講義で必要に応じてプリントを配布します。 |
参考書 | 『宗教学』 石井研士 弘文堂 2010年 『宗教学入門』 マクス ミュラー 晃洋書房 1990年 講義中に、適宜紹介します。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
①講義への主体的参加:10点
②各講義で配布するコメントペーパーの内容:30点
③前期小レポート:30点→第8回目の講義に前半で扱ったテーマについて比較宗教の視点から小レポートを求めます。
④後期小レポート:30点→第16回目の講義に後半で扱ったテーマについて比較宗教の視点から小レポートを求めます。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション 比較宗教学とは何か? | |
2 | 日本の神道(この講義では適宜、神道も比較対象として取り上げる) | |
3 | 教典(1) 仏教 ・ブッダの生涯、ブッダの教えを確認する仏典 | |
4 | 教典(2) キリスト教 ・「旧約聖書」の世界、「新約聖書」の基礎、イエス・キリストの生涯 | |
5 | 仏教とキリスト教の比較 ―教典― | |
6 | 教え(1) キリスト教の信仰(1) ・愛の教え | |
7 | 教え(2) キリスト教の信仰(2) ・三位一体、原罪と贖罪 | |
8 | 教え(3) 仏教の教義 ・四法印、四諦八正道 | |
9 | 仏教とキリスト教の比較 ―教え― | |
10 | 歴史(1) 仏教の歴史 ・原始教団と根本分裂、大乗仏教と密教、日本の仏教 | |
11 | 歴史(2) キリスト教の歴史 ・迫害からローマ国教、教会の分裂と十字軍、教会の堕落と分派 | |
12 | 歴史(3) 日本とキリスト教の歴史 ・キリスト教伝来、鎖国とキリスト教禁止令、明治期以降の日本社会と欧米文化 | |
13 | 死生観(1) 仏教の死生観 ・輪廻転生と末法思想、天国と地獄、極楽浄土 | |
14 | 死生観(2) キリスト教の死生観 ・最後の審判、天国と地獄、神の国 | |
15 | 仏教とキリスト教の比較 ―死生観― | |
16 | 定期試験期間 | |