【講義概要】
長期的にみて、日本でも外国からの旅行者や居住者が増え、彼らを目にしたり話したりすることが増加していくと考えられる。表層的なおしゃべりから一歩先へ進み、それを自分と異なる他者との関係性の構築経験として捉え直すきっかけとするにはどうしたらよいか。本講義では、こうした異文化コミュニケーションの実践的な問題をより深く思考するために、歴史学、言語学、文化人類学という多角的な立場からアプローチする。
講義は3人の教員によるオムニバス方式とし、それぞれの教員が講義および試験を行う。
■担当教員
鹿毛敏夫 5回。日本列島に暮らしてきた私たちの先人たちは、列島内外の様々な異文化に出会いながら、時に対立し、時に融合しながら、現代までの歴史や文化を紡いできた。特に、近代的な「国境」が確定する以前の時代に、自己と異なる文化的背景を有する人とどのように接触してきたかを、歴史学的に考察する。
梶原彩子 5回。ことばやコミュニケーションとは何か。異なる文化を持つ他者とどのように関係を構築していくのか。言語行為、言語/非言語コミュニケーション、言語権などの具体例を基に、異文化間コミュニケーションに必要な姿勢とは何かを考えていく。
宮坂清 5回。異文化に接触するときに何が起きるか。新たな出会いに歓喜し、異質性に魅了されることもあれば、よそ者として排除され、場合によっては対立することもある。異文化接触は喜びのみならず摩擦をも生み出すのである。そうした接触のありようを具体例を通じて検討し、それをどのように理解すればいいかを考える。
本講義は、国際文化学部国際文化学科ディプロマ・ポリシーおよび同国際協力学科ディプロマ・ポリシーに共通する、「思考力・判断力・表現力」における「共生可能な持続的社会形成のための思考力・判断力・行動力を身につけることができる」を目的とする。本科目は地域志向型科目である。
【学習到達目標】
・日本を基点とした異文化コミュニケーションの歴史を理解する。
・ことばやコミュニケーションとは何か、異文化間コミュニケーションにはどのような姿勢が必要かを理解する。
・異文化が接触するときに何が生じうるか、それをどう理解すべきかを考える。
【履修上の注意】
・この授業は、対面授業と非対面授業を隔週で実施し、非対面授業を、CCSを活用した基本型授業(教材提示・課題提出)で実施する。
・鹿毛担当回(第1回~第5回)の非対面授業においては、レジュメを参照の上課題レポートをCCSで提出してもらう。
・梶原担当回(第6回~第10回)の非対面授業においては、レジュメを参照の上課題レポートをCCSで提出してもらう。
・宮坂担当回(第11回〜第15回)の非対面授業においては、レジュメを参照しつつ講義動画を閲覧し、課題レポートをCCSで提出してもらう。
・授業への積極的な参加を求める。
・出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合は「失格」とする。
【事前準備学習】
・授業で提示された参考書に目を通すこと。
・授業で学んだことを次の授業までに復習すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | ・授業の中で参考書・資料を紹介し、またプリント資料等を配布する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・各教員が平常点と試験により評価を行い、それを合算し総合的な成績評価を行う。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 「異文化コミュニケーション論」とは(講義の全体目標・スケジュール・概要および評価方法等) | |
2 | 異文化コミュニケーションの歴史 | |
3 | 日本列島のなかの異文化 | |
4 | アジアのなかの日本 | |
5 | 日本史と世界史の接点 | |
6 | コミュニケーション能力 | |
7 | 異文化コミュニケーション能力 | |
8 | 沈黙の意味 | |
9 | 国家と標準語 | |
10 | 言語権と多元的社会 | |
11 | 「よそ者」と異文化適応 | |
12 | 異文化接触と解釈 | |
13 | 「対立」を生み出すもの | |
14 | グローバル化とアイデンティティ | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |