【講義概要】
まちは暮らしの場であり、私たちの生活を包み込む器ともえます。その意味では、どのようなまちを作っていくのかは私たち暮らしの質を左右する重要なテーマとなります。また、まちづくりにおいては多様な要素(分野と主体)から成っています。具体的には産業(経済)、文化、環境、コミュニティ、土地利用などの各分野や住民、企業、自治体、専門家などの各主体があり、それらを総合化することでまちづくりが実践されていきます。言い換えれば、まちづくりは総合政策の典型的な分野です。
この授業ではまちづくり政策について、基礎編と実践編の二つのアプローチから学んでいきます。
基礎編では、ここでいう「まちづくり」とは何かを定めておいたうえで、まちづくりの取り巻く今日的な環境を踏まえ、その構成要素(分野)をわかりやすく解説します。実践編ではできるだけ実際の取組み実例をとりあげて、そのプロセスと現状を解説し、理論的枠組みを理解できるようにします。
なお、理解を助けるために、パワーポイント等を活用しながら、ビジュアルに提示していきます。
※COC地域志向科目
【学習到達目標】
まちづくり政策の基礎編と実例編を通じて、総合政策の典型的な対象の一つであるまちづくりについて、体系的に理解を深めることを目標とします。
【履修上の注意】
常に私たちの暮らしの場である「まち」に対して注意を払って眺めてみてください。好きな場所、嫌いな場所があるなら、なぜそう思うのかを考えることがまちづくりのスタートです。また、新聞や雑誌で登場する「まち」に関する記事や映画での撮影場所も、なぜ取り上げられているのかを考えることもまちづくりのスタートです。
各講義ではパワーポイントを用い、その内容をテキストとして配布しますが、気付いた点はこまめにノートを取りましょう。専門用語が授業中に出てきますので、不明の言葉の意味を調べるなどして、理解を深めておいてください(講義中での質問も可)
※この授業は、対面(面接)授業と非対面授業を隔週で実施し、非対面授業をCCSを活用した基本型授業とTV会議システム(Teams等)を併用して実施します。チームコードは mk9vrlb です。
【事前準備学習】
日本におけるまちづくりは人口減少下における持続的発展がテーマになっています。欧米のまちづくりの関心事は都市間競争にいかに勝って、活力を維持するかにあるように思えます。そこで、下記の参考書を読んだり、新聞・雑誌(情報誌)やインターネットで取り上げられる都市は、なぜそこで取り上げられているのか意識しておいてください。
なお事後には授業で学んだことをミニッツペーパーで記述してもらいます。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 講義の都度、講義内容の資料を配布します。 |
参考書 | 『コロナで都市は変わるか』 矢作弘他 学芸出版社 2020 『未来を見る力-人口幻想に負けない思考法-』 河合雅司 PHP研究所 2020 『人口減少社会のデザイン』 広井良典 東洋経済新報社 2019 『どうする地方創生』 山崎史郎 小黒一正 日本経済新聞出版社 2018 『ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか』 高松平蔵 学芸出版社 2016 『新クリエイティブ資本論』 リチャード・フロリダ 川口典夫訳 ダイヤモンド社 2014 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
■定期試験(50%)
■中間テスト(20%)
■平常点(30%)
・平常点は講義で学習した内容を記述するミニッツペーパーで評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンスとまちづくり政策の視点 | |
2 | まちづくりをとりまく社会的環境 | |
3 | まちづくりの構成要素-公共空間・交通・環境・地域資源- | |
4 | まちづくりに歴史的資源を活かす-ものづくり文化の道(名古屋市西区)など- | |
5 | まちづくりに産業的資源を活かす-やきもののまち瀬戸・美濃・常滑- | |
6 | まちづくりに文化的資源を活かす-文化のみち(名古屋市東区)など | |
7 | まちづくりとストックシェアリング | |
8 | 中間テスト(これまで学んできたこと) | |
9 | 町並み保存・観光とまちづくり-重要伝統的建造物群保存地区と地域資産活用型観光地- | |
10 | 公共空間の活用とまちづくり-オープンカフェを事例に- | |
11 | 都市景観の公共性とコントロール-マクドナルドの店舗デザインを通じて- | |
12 | 日本と欧米の都市再開発とまちづくり | |
13 | 福祉とまちづくり-地域の活力と福祉力- | |
14 | 新たな地域価値を付加するエリアマネジメント | |
15 | まちづくりの担い手を考える-市民・企業・行政・NPO- | |
16 | 定期試験期間 | |