【指導方針概要】
人間はなぜか物語を求める。世界各地には古来より作者不詳の神話や、伝説、童話が伝わっている。それらは民族の遺産であり、古の人々が抱いた様々なイメージとともに人類普遍の魂の元型を教えてくれる。そこでは神々や悪魔、英雄、妖精や精霊などが活躍し、自然と密着していた頃の人間のファンタジーが生き生きと表出している。また物語は特定の作者によって詩や劇として綿々と紡がれ、やがて最も自由な文学である小説(ロマン)が生まれた。さらにロマンの伝統は、時代とともに形を変えながら、現代のマスメディアの中で映画の中に、また漫画やアニメの中にも生き続けている。こうした物語の構造はどこか夢に似ていないだろうか。これらを念頭に置きながら、この演習では「なぜ人は物語を必要とするのか」を考えてゆく。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
テキスト | 『グリム童話 上』 池内紀 訳 ちくま文庫 『グリム童話 下』 池内紀 訳 ちくま文庫 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【学生に対する希望事項】
過酷な現実に負けないで夢を忘れず、ロマンを追い求める人が望ましい。